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「有価証券報告書に人的資本の情報を書かなければならないのに、何を数値にすればいいのか分からない」。経営会議でそう頭を抱えたことはありませんか?離職率や研修時間は書けても、従業員がどれだけ意欲を持ち、安心して発言できているかという「見えない資本」は、多くの企業がまだ数値化できていません。
心理的安全性とエンゲージメントは、独自のサーベイでスコア化すれば、人的資本開示の指標として提示できます。
実は、開示に使える指標は財務諸表の外側にもあります。心理的安全性やエンゲージメントの実態はAttunedの調査データからも読み取れます。
人的資本経営が叫ばれるなか、金融庁は2022年11月、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正を公表し、2023年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から、人的資本・多様性に関する開示を義務化しました(女性活躍推進法等に基づき指標を公表している企業とその連結子会社が対象)[1]。書きやすいのは離職率や女性管理職比率のような「数えられる」指標です。一方で、従業員がどれだけ意欲を持って働き、上司や同僚に安心して意見を言えているかという「見えない資本」は、測定の枠組みそのものが社内にないため、開示欄が埋まらない企業が少なくありません。
Gallupが347組織・18万を超えるビジネスユニットを対象に行ったQ12メタ分析(第11版)では、エンゲージメントが上位半分の組織は下位半分と比べて収益性が23%、生産性が14〜18%高く、離職率は21〜51%低いという結果が示されています[2]。エンゲージメントは、業績や定着(リテンション)と強く結びついている可能性が高い経営指標だということです。
厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(2025年8月26日公表)によると、2024年の全国の離職率は14.2%で前年から1.2ポイント低下しました[3]。全体としては改善傾向にあるものの、自社の離職率が業界平均より高いのか低いのか、根拠を持って説明できる経営層はまだ多くないかもしれません。「見えない資本」を放置するとは、業績や定着に効くはずの指標を、開示以前に経営自身が持っていない状態を指します。
Attunedは、従業員の内発的動機づけを11の因子で測定するモチベーションアセスメント(個々の従業員が何にやりがいを感じているかを可視化するツール)と、組織の心理的安全性を定量化する心理的安全性アセスメント(発言のしやすさを数値で示すアセスメント)を提供しています。毎年実施している独自調査『The State of Motivation Report 2026』では、11因子のうち5因子が過去最低を記録し、なかでも「フィードバック」が前年比マイナス3.27ポイントで最低値でした[4]。従業員が評価やフィードバックを避けたがる状態は、心理的安全性が下がっているサインかもしれません(詳しくはSOMR2026の全世代データで解説しています)。
全社一律の平均値だけでなく、1人単位でのモチベーションという視点で個別のスコアを蓄積していくと、開示に使えるだけでなく、離職防止や定着の実務にもそのまま転用できます。
では、自社の心理的安全性やエンゲージメントは今どのレベルにあるのでしょうか。実データをもとに測り方と改善の順番を整理したレポートはこちらからご覧いただけます。
書き始める順序は次の通りです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ①測定 | モチベーションアセスメントや心理的安全性アセスメントで現状のスコアを測定する |
| ②接続 | 離職率・研修投資額といった既存の「数えられる」指標と並べ、スコアの変化と定着率の相関を確認する |
| ③開示 | スコアを一時点の数字ではなく、前年からの推移として開示欄の「指標及び目標」に記載する |
たとえば「従業員エンゲージメントスコアは前年比プラス3.2ポイント、心理的安全性スコアは同プラス1.8ポイントで、離職率14.2%(業界平均比マイナス2.3ポイント)の改善に寄与したと分析している」というように、財務指標と並べて経年の変化として書く形です(数値は記載イメージの一例です)。単年の数値だけでは説得力を持たないでしょうが、推移として示せば、投資家や社外取締役との対話材料になるはずです。
人的資本開示は、義務だから仕方なく埋める欄ではありません。エンゲージメントや心理的安全性を数値化できれば、離職防止や生産性向上にもつながる経営情報として使えるのではないでしょうか。
Attunedは、モチベーションアセスメントと心理的安全性アセスメントによって、従業員一人ひとりの内発的動機づけと組織の心理的安全性を定量的に可視化するサービスです。人的資本開示に使える指標と、その先の改善策までを1つのデータで扱えます。実証研究をもとに指標の作り方と開示への落とし込み方を整理した資料を、こちらから無料でダウンロードいただけます。まずは自社の現在地を知りたいという方は、無料トライアルからアセスメントをお試しください!
出典・参考文献
Q1. 人的資本の開示はすべての企業が対象ですか?
A. 有価証券報告書の提出義務がある企業のうち、女性活躍推進法等に基づき女性管理職比率・男性の育児休業取得率・男女間賃金格差を公表している企業とその連結子会社が対象です(金融庁、2022年11月公表)[1]。
Q2. エンゲージメントや心理的安全性は、どうやって開示できる数値にするのですか?
A. モチベーションアセスメントや心理的安全性アセスメントのようなサーベイでスコア化し、前年からの推移として示す方法があります。単発の数値より、経年変化の方が投資家への説得力を持ちます。
Q3. 離職率さえ開示していれば十分ではないのですか?
A. 離職率は結果指標です。Gallupのメタ分析が示すように[2]、エンゲージメントは離職率や生産性に先行する指標であるため、原因側の数値も合わせて示す方が経営の説明力が高まります。
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