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「部下にボーナスを渡したのに、なぜかチームの士気が上がらない…」そんな経験はありませんか?インセンティブは万能に見えて、使い方を誤ると逆効果になることがあります。その背景には、内発的動機づけと外発的動機づけの根本的な違いがあります。
今回は、ノルウェー大学のクバースらによる研究論文(Journal of Economic Psychology, 2017)をもとに、2つの動機づけの違いと、マネージャーが押さえておくべき職場での使い分けを解説します。
内発的動機づけとは、仕事への興味・達成感・成長への欲求など、自分の内側から湧き出るモチベーションのことです。「やれと言われたからではなく、面白いから取り組む」状態といえます。
一方、外発的動機づけとは、ボーナス・昇進・評価など外部の報酬や罰則によって行動を促すものです。
どちらも「やる気を引き出す手段」のように見えますが、職場への影響はまったく異なります。内発的動機づけの定義・具体例・高め方についてさらに詳しく知りたい方は、【2026年版】内発的動機づけとは?意味・具体例・職場での高め方をわかりやすく解説もあわせてご覧ください。
研究の核心はシンプルです。「内発的動機づけと外発的動機づけは別個のものであり、それぞれ別の方法で対処しなければならない」ということです。
内発的動機づけが高い従業員は、高いエネルギーと粘り強さを持ち、創造性・パフォーマンス・エンゲージメントが向上しやすい傾向にあります。また、燃え尽き症候群や離職意向とも反比例の関係にあり、その効果は職場を超えて仕事と家庭のバランスにまで及ぶことが研究で示されています。
さらに、内発的動機づけは「悪い結果が出た後」でも粘り強さを維持しやすいという特徴があります。困難な局面でこそ、内発的動機の有無がパフォーマンスを分けるといえるでしょう。
論文の著者らはインセンティブについてこう指摘しています。「インセンティブは、追加報酬を払ってでもやらせようとするもの。それはすなわち、その仕事が楽しくないと自ら示しているようなものだ」と。
特にクリエイティブな仕事において、外的インセンティブは「小さいが有意な負の効果」をもたらすことが確認されています。インセンティブを与えることで、知らず知らずのうちにチームの内発的動機を削っているかもしれません。
📖 参考論文:Kuvaas, B., Buch, R., Weibel, A., Dysvik, A., & Nerstad, C.G.L. (2017). Do intrinsic and extrinsic motivation relate differently to employee outcomes? Journal of Economic Psychology, 61, 244-258.
外発的動機づけが効果的なのは、反復的・単純な作業に限られます。知識労働や創造性が求められる仕事では、外的インセンティブは逆効果になりかねません。
整理するとこうなります。
内発的動機づけを優先すべき場面
知識労働・クリエイティブな仕事・長期的なエンゲージメントを求めるすべての場面。できる限り、内発的動機づけを高めることに注力すべきでしょう。
外発的動機づけを限定的に使う場面
単純・反復タスク、あるいは短期的な行動変容を促したい場面のみ。それ以外での乱用は禁物です。
インセンティブに手を伸ばす前に、まず「このメンバーは何にやりがいを感じているのか?」を把握することが、持続的なマネジメントの出発点ではないでしょうか。
では、内発的動機づけを高めるために、マネージャーには具体的に何ができるでしょうか。
研究が示す方向性はシンプルです。「自律性・有能感・関係性」という3つの心理的欲求を満たす環境をつくることです。
そして何より重要なのが、一人ひとりの動機が何かを把握することです。内発的動機は人によってまったく異なります。「全員に同じ研修」「全員に一律ボーナス」といった施策では、内発的動機には届きません。個人の動機を理解してから、働きかけを設計する——この順番が重要です!
内発的動機づけを高める実践的な方法(具体的なマネージャーの言動・1on1の使い方など)については、【2026年版】内発的動機づけとは?意味・具体例・職場での高め方をわかりやすく解説でより詳しく紹介しています。
この記事のポイントを3点で整理します。
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