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恐れのない組織を3分で要約|心理的安全性と会議での実践例

恐れのない組織を3分で要約|心理的安全性と会議での実践例

会議テーブルを囲む紙の吹き出しと中央のノート。懸念を出し、応答を記録する場を表したイメージ。

リリース前の会議が終わりかけたとき、部下が「お客様が使う操作で、まだテストできていないものがあります」と言いました。期限は迫っています。そこで、どう返すでしょうか。

エイミー・C・エドモンドソンの『恐れのない組織』は、こうした場面を考えるヒントをくれる本です。まず中心となる考え方を短く整理し、そのあとに会議で使える具体例を紹介します。

要点は3分の要約へ。実践例を読みたい方は懸念が出たときの応答と、次の会議で試すことをご覧ください。

3分でつかむ恐れのない組織の要点

「こんなことを言ったら、どう思われるだろう」。『恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』は、そんな不安によって、チームに必要な情報が共有されなくなる問題を扱う本です。職場の事例とともに、率直に話せる組織をつくる方法を考えていきます。英治出版の書籍紹介

中心となる「心理的安全性」は、疑問や懸念、ミス、異なる意見を口にしても、恥をかかされたり罰せられたりしないと思えること。発言に伴う対人関係のリスクに関わる考え方です。エドモンドソン本人の説明を読む

押さえたい考え方 チームで考えること
沈黙だけでは判断できない 静かな会議でも、全員が賛成しているとは限らない。
率直さと仕事の基準を両立する 計画に疑問を出せることと、責任を持って仕事をすることは両立する。
意見を求めたあとの対応も重要 不確実な点を説明し、意見を求め、出てきた声を検討する。

エドモンドソンは、リーダーの実践として「場を整える」「参加を促す」「生産的に応答する」という3つを挙げています。以下は、その枠組みを会議に応用した例です。会話例は本書からの引用ではありません。Attunedのインタビュー

心理的安全性を高めることは、責任をなくすことではありません。本人は心理的安全性と説明責任を別の軸として捉えています。難しい質問を歓迎しながら、根拠を確認し、判断し、実行を求めることができます。ハーバード・ビジネス・スクールのインタビュー(英語)

会議前に不確実な点を共有し、会議中に具体的な懸念を聞き、発言後に確認事項と次の行動を決めるためのオリジナル図。

会議の前にまだわからないことを伝える

冒頭のリリース会議に戻りましょう。公開日は決まっていますが、初めて使うお客様の重要な操作を、まだ検証できていません。議題が「最終承認」だけなら、部下は「今さら問題を出してよいのだろうか」と迷うかもしれません。

そこで最初に、「今日は公開できるかを判断します。初めて使う方の操作について、まだ確認できていない点があります。判断に関わる懸念があれば聞かせてください」と伝えます。

公開日の延期を約束する必要はありません。何を話し合う場なのかを明確にするのが目的です。最終判断は誰がするか、省略できない確認は何か、調査にどれだけ時間を使えるかも共有しておきましょう。

答えやすい具体的な質問をする

「何か意見はありますか?」だけでは、どこから話せばよいかわからないこともあります。「お客様が使う操作の中で、テストが十分でないものはありますか?」「公開を承認するうえで、気になる点はありますか?」と、判断に結びつく質問をしてみましょう。

問いかけたら、すぐに自分で答えず、考える時間を取ります。事前に準備したほうが話しやすい人のために、会議前に文章で懸念を出す方法も用意できます。誰が読み、いつ返答するかまで伝えておくと、その後の対応も確認できます。

次の1on1では、「会議で言おうと思ったけれど、やめたことはありましたか?」と聞いてみてもよいでしょう。計画の正しさを説明する前に、まず話を聞きます。計画そのものではなく、会議の進め方に気になる点があったのかもしれません。

懸念が出たらまず何を確認するか

部下が「お客様が使う操作で、まだテストできていないものがあります」と言いました。

「どうして今まで言わなかったの?」と返したくなるかもしれません。ただ、最初に発言のタイミングを問い詰めると、肝心の問題が後回しになります。経緯はあとで確認できます。まずは、判断に必要な情報を聞きましょう。

「伝えてくれてありがとう。どの操作に関わることで、今どこまでわかっていますか?」

続けて、懸念の確認と公開の判断を分けます。「まず20分でその操作を確認しましょう。担当者が結果を共有したあと、修正するか、公開範囲を絞るか、リスクを記録して進めるかを判断します」と、次の行動を決めます。

発言を受け止めることと、すべての懸念を理由に予定を変えることは別です。確認した結果、判断を変えないのであれば、何を調べ、なぜ進めるのかを説明します。判断を変えた場合も、何が決め手になったかを共有します。発言した本人にも、その結果を返しましょう。

これは会議での応答の一例です。1回の応答だけで、チームの文化が変わるわけではありません。

仕事の基準も曖昧にしない

確認の結果、必要なチェックが省略されていたとわかったら、報告への感謝だけで終わらせるわけにはいきません。抜けていたチェックを実施し、なぜ省略されたのかを確かめ、次からどう進めるかを話し合います。相手をあざ笑ったり、人前で責めたりせずに、必要な対応を求めることはできます。

会議の場だけでなく、個別に相談できる方法も必要です。ただし、1on1で一人の話を聞いただけで、チーム全体の心理的安全性がわかるわけではありません。正式な対応が必要な内容もあるため、相談を受けるときに「誰にも言わない」と安易に約束しないことも大切です。

次のチーム会議で小さく試してみる

実際に判断が必要なテーマを1つ選び、まだわからないことを書き出してから会議を始めます。一人ひとりに、気になる点や足りない情報を聞きましょう。文章で伝える機会もつくれます。

会議後は、出た意見、決めたこと、誰が何を確認するかを記録します。次の会議で経過を共有し、「意見を出しやすかったか」「進め方をどう変えたいか」を聞いてみてください。発言した人数だけでなく、出てきた声にどう応じ、その結果を返したかを振り返りましょう。

チームについて理解を深める

職場での取り組みをさらに考えたい方は、心理的安全性を高める5つのステップもご覧ください。エドモンドソンのインタビューでは、心理的安全性と内発的動機の関係も扱っています。

心理的安全性とモチベーションは関係していますが、同じものではありません。仕事で何を大切にしているかを知る方法として、Attunedのモチベーションアセスメントがあります。ただし、その結果だけで、チームが率直に話せると感じているかを判断することはできません。

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