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ハーズバーグの二要因理論を3分で解説

ハーズバーグの二要因理論を3分で解説

問い合わせ対応のチームで、遅番のシフトを早めに確定するようにしたとします。急な変更が減り、予定も立てやすくなりました。それでも、あるメンバーは「毎日、同じ問い合わせを処理するだけなんですよね」と話します。

勤務予定がわかれば、自分の時間の使い方を考えやすくなります。一方で、毎日の業務を単調に感じることは残っているようです。ハーズバーグの二要因理論は、この違いを考える手がかりになります。

要点は3分の解説へ。仕事の任せ方を変える例や、1on1の質問例から読むこともできます。

3分でつかむ二要因理論の要点

フレデリック・ハーズバーグの二要因理論は、仕事への不満に関わる衛生要因と、満足に関わる動機づけ要因を分けて考えます。不満の原因を取り除けば、それだけで仕事への満足が生まれるという考え方ではありません。米国心理学会による定義(英語)

要因 何についてのことか 代表的な例
衛生要因 仕事を取り巻く条件や環境 給与、会社の方針、上司による管理、労働条件、人間関係、雇用の安定
動機づけ要因 仕事の内容や、仕事を通じて得られるもの 達成、承認、仕事そのもの、責任、昇進、成長

「衛生」は理論で用いられる呼び名です。職場の清掃だけを指す言葉ではなく、重要度が低いという意味でもありません。給与の扱いが不明確だったり、勤務予定が直前まで決まらなかったりすれば、大きな問題になります。

要点は、「何が働くうえでの不満になっているか」と「何がこの仕事のやりがいになっているか」を別々に聞くことです。仕事に手応えを感じていても、働く条件に不満がある人はいるでしょう。逆に、環境が整っていても、仕事自体には退屈さを感じることもあります。

下の図は、2つの要因を職場での問いに置き換えたものです。従業員を採点するための図ではありません。

働く条件への不満と、仕事そのものへの満足を別々に考えるオリジナル図。シフトのルールを明確にする例と、顧客対応を最後まで担当する例を示す。

ハーズバーグらは、仕事に満足した経験や不満を感じた経験を本人に振り返ってもらい、その内容を分析しました。研究をまとめた著書では、仕事の内容を見直し、達成感を得たり、責任を持って取り組んだりできる機会を増やす「職務充実」につながる考え方を示しています。出版社による原著の紹介(英語)

仕事のどこまでを任せられるか

冒頭のチームに戻りましょう。「同じ問い合わせを処理するだけ」とは、どんな状態なのかを聞いてみます。

例えば、「返金を希望するお客様から事情を聞いて上司に渡すのですが、その後どう解決したのかは、ほとんどわかりません」という答えが返ってきたとします。

そこで、同じ受付業務の件数を増やしても、本人の経験はあまり変わらないかもしれません。別の案として、ある種類の問い合わせを、受付から解決まで任せられないかを話し合えます。

どの判断は自分でできるのか。いくら以上の返金には上司の承認が必要なのか。必要な研修や情報は何か。お客様の問題が解決したかを、どう確かめるのか。そこまで具体的にすると、任せる内容が見えてきます。

これは職務充実の考え方を使った応用例であり、誰にでも合う方法だという意味ではありません。専門知識を深めるほうに関心がある人もいれば、まだシフトの問題が残っていると話す人もいるでしょう。

本人が試してみたいと思うなら、対象を絞り、例えば2週間だけ取り組んでみます。その間は通常の受付件数を調整して、時間を確保します。責任だけ増えて、判断できる範囲や支援が増えなければ、負担を上乗せすることになりかねません。

振り返りでは、何に手応えがあったか、何が難しくなったか、続けたいかを聞きましょう。仕事を多く引き受けたことだけで、意欲が高まったと判断しないことが大切です。

給与はやる気に関係しないのか

この理論では給与を衛生要因に分類します。ただし、そこから「お金はやる気に関係ない」と決めつけるべきではありません。

ジャッジらのメタ分析では、給与水準と仕事全体への満足には、小さいながら正の関連が見られました。特定の昇給が特定の反応を起こすと実証した研究ではありません。また、給与への満足と、仕事全体への満足は別の指標です。研究者による要旨を読む(英語)

給与についての相談があれば、まず何を問題に感じているのかを聞き、決まり方や対応できることを説明します。支払いの漏れや扱いの違い、理由のわからない決定についての疑問は、面白い仕事を任せるだけでは解消しません。

反対に、給与の問題に対応したからといって、本人がどんな仕事やフィードバックを求めているかまでわかるわけではありません。その話も聞く必要があります。

分類をそのまま当てはめすぎない

二要因理論は説明しやすい一方で、その明確な区分がすべての職場に当てはまると確定したわけではありません。ダネット、キャンベル、ハケルが6つの職業群を調べた研究は、満足と不満足の要因をきれいに分ける考え方に疑問を示しています。原著論文の要旨(英語)

もとの研究で集めた仕事の経験談も、自分のチームで試そうとしている施策を無作為に比較した実験ではありません。分類名や1回の面談だけで、その人に合う方法がわかるわけではないのです。

例えば「評価に納得できない」と言われたら、何が起きているかを聞きます。貢献を見落とされているのか、基準がわからないのか、褒められても具体的な助言がないのか。どちらの要因に分類するかを先に決めなくても、話は進められます。

次の1on1で聞いてみたいこと

本人がすでに話していることに合わせて、質問を選んでみてください。

確かめたいこと 質問例 次に話し合えること
繰り返し起きる困りごと 「仕事を進めるうえで、何度も困っていることはありますか?」 具体的な手続きやルールを1つ見直す。
最後まで関わりたい仕事 「最近の対応で、自分で最後まで進めたかったものはありますか?」 その仕事をどこまで任せられるか考える。
責任と権限のずれ 「責任はあるけれど、自分では判断できずに止まることはありますか?」 判断できる範囲と相談先を明確にする。
変更後の手応え 「試してみて、よくなったことと、難しくなったことは何ですか?」 続けるか、調整するか、やめるかを一緒に決める。

最後に、変えることを1つ決め、誰が対応するかと、いつ振り返るかも確認します。希望どおりに変えられないことがあれば、そのことと次の対応を伝えましょう。

仕事への意欲についてさらに考えたい方は、内発的動機づけの意味と職場での具体例もご覧ください。

個人ごとに異なる仕事の価値観を話し合う方法として、Attunedのモチベーションアセスメントがあります。独自の11のモチベーターを用いる枠組みで、ハーズバーグの2分類と一対一に対応するものでも、二要因理論の正しさを判定するものでもありません。

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