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2022年8月10日 (水) 、行動経済学の第一人者である、阿部誠 氏(東京大学大学院経済学研究科教授)をお迎えし、 行動経済学とより良い意思決定や行動を引き出すナッジや、経営学の観点から内発的動機にアプローチする考え方についてお話を伺いました。セミナーの概要をAttunedインターンの藤田がレポートします。
目次
行動経済学は、人の行動を理に適って「いない」からといってランダムなものとは考えず、理に適っていない行動もシステマティックなものと考えます。端的には非合理的に見える行動でも、統計により法則性を見出しモデル化をすることで、非合理な人の行動の理解、予測を行うことができます。言い換えれば、行動経済学は消費者の行動原理を知ることであるので、「マーケティング」といってもよいと考えています。
ナッジとは、直観的で非合理的な情報処理様式と言われる「ヒューリスティック」を用いてもバイアス(間違い)が起きないような行動変容を促す仕組みです。
ポイントは二つあります。一つはペナルティーや罰金を最小限にすることで強制、強要せずに、あくまでも本人が自分の意志で自由に行動することです。もう一つのポイントは、経済的インセンティブを最小限にすること、簡単で安価な仕組みにすることです。
ここで具体例を見てみましょう。
新型コロナのワクチン接種を強制せずにナッジを用いて促進するにはどうしたら良いでしょう?
まず前提として、人は恐怖の状況下では感情に影響されることが多いといわれます。そしてこのような時に下す判断もヒューリスティック(過去の経験から予測する手法)を用いた、非合理的なものになってしまいがちです。
ここではヒューリスティックを用いた3種類のナッジの例を紹介します!
これは、「あなたがワクチンを摂取することはあなただけでなく、あなたの身近な人たちのためにもなります」と訴えたり、「あなたのワクチン摂取は社会全体が免疫をつけるのに重要です」と訴えたりすることで、摂取を促すことが挙げられます。
これはワクチン接種をしないことによるデメリットを強調する方法です。これは「人間は利得よりも損失を強く認識する」という考えに基づいています。例えば、「ワクチン接種をしなければ、旅行に行くときに検査が必要になる」ということが損失として挙げられます。
「大規模接種、集団接種会場がもうすぐ閉まってしまう」、「会場が空いている今のうちに摂取しましょう」という時間制限のような刺激を与えることでワクチン接種を促進する方法です。
このようにナッジを用いることで、人々の行動変容を促すことができると考えられます。
モチベーションを決定づける動機づけの種類には、「内発的動機」「外発的動機」があります。その中でも内発的動機はモチベーションの源泉を知る上でとても大切です。職場における「仕事をしているどのような時にやりがいを感じるか」を考えることは何が効果的な内発的動機になるかのヒントになります。また、この内発的動機は個人によって大きく異なるため、各従業員に寄り沿った内発的動機の理解が必要です。
そして、内発的に動機づけられた行動とは、人がそれに従事することにより、自己を有能で自己決定的であると感じられることです。
さらに有能さと自己決定の感覚が高くなれば、満足感は増加します。つまり、職場のメンバーの満足感を高めようとする時、それぞれの内発的動機づけが必要になってきます。
心理学者Deci(1975)の実験では、パズル課題を被験者に与えて解かせ、解いたパズルの個数に応じて金銭的報酬があるグループと、ないグループで比較しました。
すると報酬のないグループの方が休憩中にパズルを解く時間が長いことがわかりました。つまり、金銭的報酬を受け取ったグループにとっては、本来面白いはずのパズルであっても自由時間に休憩してしまう(パズルがつまらなくなってしまう)のです。一方、報酬のないグループは、パズルを報酬をもらうための仕事ではなく、楽しむものと捉えられたので作業時間が持続したと考えられます。
このような、金銭的報酬は外発的動機づけと言えます。この実験結果を見ると外発的動機づけは内発的動機づけに劣ると思われるかもしれません。しかし、外発的動機づけが内発的動機と同様の役割を果たすこともあります。外発的動機が内発的動機と同様、有能感や自己決定感を高め、満足感の上昇につながれば良いのです。
二つ目は情報的側面です。これは従業員に対して報酬の受け手に有能であると伝え、自己決定的であると実感させるというものです。
ちなみに、自己決定的であるかどうかは
・トップの経営方針と自分の仕事との関係を考えながら仕事をしているか
・上司から権限移譲がなされているか
・自分の意見が尊重されているか
などによって測られます。
このような外的報酬を利用するにあたっては情報的側面が統制的側面より強い状態にあることが大切です。この状態にあれば自己決定と有能さの感覚が強まります。
一方、統制的側面の方が強くなってしまうと、自己決定の感覚が弱まり、外的報酬を獲得するために仕事をしていると知覚してしまいます。たとえば、仕事が金銭的報酬を得るための手段に変わってしまうと、最低限をクリアし、ベストを尽くさないという問題につながってしまいます。
Q:個人のモチベーションを上げるには何をしたらいいでしょうか?
阿部 まず、ターゲット(職場の場合は従業員)がどういうことを考えているか(各メンバーの価値観、態度、ライフスタイル)を知り、その上で仕事においては何を重視し、どのように振る舞う傾向にあるかをその人たちの立場に立って考えます。そして彼らの行動を変えるためにはどのような仕組みが有効かを考えることが必要です。
飯田弊社のプロダクトもアセスメントを受けて、個人の内発的動機を可視化するというものです。他者の内発的動機がみえれば「この人はこういうことを重視している」というバイアスを排除でき、新しい行動を促すことができると考えています。
Q:「外的報酬は有能さに関する情報として使う」とありましたがこれについてもう少し詳しく聞きたいです。
阿部:金銭的報酬はそれ自体のインパクトが強いため、人間の行動を大きく変えてしまう傾向がありますが、必ずしも良い方向には働かないことがあります。外的報酬を与える場合には金銭で統制的側面を強調するより、情報的側面を強調することが効果的です。
例えばオリエンタルランドでは非常に優秀な従業員はみんなの前で賞賛され、CEOの部屋でのパーティに招待されるというようなことがあります。そういうような「あなたは良いことをやっているんだ」という情報的側面で刺激するということが、真に仕事へのモチベーションを高める強い要因になり得るということだと思います。
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