創造性を発揮する人財開発・組織開発にAttunedを活用

 

長野県上伊那郡箕輪町に本社のあるKOA株式会社は、国内外でトップクラスのシェアを誇る抵抗器メーカーです。「2030ビジョン」の実現に向け、新事業開発チームとブランディングチームを率いる取締役 小嶋様は、主に開発チームの創造力をさらに高め組織力を高めていくための施策をお探しでした。

Attunedの導入とその成果、および2年度目を迎えるにあたり導入部署を拡大してご利用いただいている背景を伺いました。

左から 坪木 光男 様 小嶋 敏博 様 南部 高幸 様

 

KOA株式会社

取締役 KPS-3イニシアティブ担当 小嶋 敏博 様

KPS-3イニシアティブ IMS推進センター ゼネラルマネージャー 坪木 光男 様

経営管理イニシアティブ 人事教育センター ゼネラルマネージャー 南部 高幸 様

 

課題 創造性を発揮する人財開発

解決策 内発的動機づけの可視化と1on1による動機づけ

結果 モチベーターを発揮した活躍社員が誕生。

エンゲージメント・離職予測 25%改善

創造性を発揮する組織開発に取り組みたい

新事業開発のチームではキャリア転職組と新入社員が多い組織において、上司は手探りで組織マネジメントしなければならない難しさに直面しており、組織に期待されている創造力を発揮できるチームを作ることが、組織開発の課題でした。

小嶋様は「当社の技術者は問題解決を得意としており、それに対するマネジメント手法もすでに確立されています。一方で、新規事業に必要とされる創造力のような、従来マネジメントでは難しかったものをどう引き出していくかという課題がありました。マネジメントが難しい理由は一人ひとりの価値観は異なるけれど、それが他人からは見えないことです。人員構成は多様になったが、そのメンバーが自由に意見を出せる組織風土を作り出すことが課題でした」とお話しくださいました。

可視化さえできれば改善プロセスとして扱える

そのようなタイミングで、「行動科学と内発的動機で職場を『ナッジ』する」というAttunedのセミナーを受講・共感され、ご導入を決められました。

ご採用いただいた理由について、小嶋様は「DMAIC手法※で品質改善に携わってきたエンジニアにとって、可視化(Measure)さえできれば改善プロセスに向かわせることができるという確信がありました。Attunedが個人ごとに異なるモチベーションの価値観を可視化すると聞いて、上司が部下と対話する際にどの様に相手に話しかければ自分の意図が伝わるか最適なツールであると直感しました。つまり、可視化ができれば、従来難しいと思っていた創造性やモチベーションの起点となる内発的動機を醸成する対話の場で、相手に対して「振り返り」と「気付き」を効果的に与えることができるので、上司のマネジメントを経験則に基づいて行うのではなく、データに基づいて行うように変えられると考えました」とお話しくださいました。

※品質管理のための経営変革手法、改善活動サイクルのこと。データドリブンで各プロセスを改善し、日常業務の効率や品質向上を目指す手法である。

「そして私は1on1ミーティングによって、創造性が発揮しやすく社員が成長する職場文化を作りたいと思ってきました。状況に素早く対応し、新しい発想で解決策を選択するためには、上司の仕事は管理から支援の位置づけへと変わる必要があります」と続け、上司部下の1on1ミーティングの取り組みも同時に進められました。

 
 

響きやすい1on1のコツはモチベーターの活用

次に、新事業担当部署を率いている坪木様より、具体的な活用法を伺いました。

「新規事業では決まったプロセスや仕組みがないので、内発的な動機づけがある状態で仕事をしてもらわないといけません。そのためには、部下のモチベーター レポートを把握しておき、1on1ミーティングで響きやすい話題を想定しておきます。月に一度の1on1ミーティングを繰り返し行い、半年ほどでやりたいことや自分の立ち位置が見えてきた部下が複数います」

実際に、Attunedが部下とのコミュニケーションにおける強力な武器であることを実感した例を紹介してくださいました。

「次世代リーダーとして期待していた部下にリーダーシップ研修など受けてもらいましたが、なかなか能動的な活動にまで結びついていませんでした。その方のモチベーターは、利他性が必須でした。そこで、ある日の1on1ミーティングで『他部門の技術者や後輩育成の役に立つ、技術研修の講師をやってみてはいかがでしょうか?』と勧めました。当初は乗り気ではなかったのかもしれませんが、いまでは自ら勉強会を開催するなどリーダーシップを発揮し、活躍社員となっています。」

 
 

坪木様は1on1ミーティングのコツについて、まずはかなり先まで自分の予定を決めて1o1を優先すること、初回に「どういうテーマにする?」とオープンにストレートに話し、もしなければ次回までにキャリアビジョンにつながるようなテーマを与えて考えてくるように促すこと。加えて、部下のモチベーターをいつでも参照できるようにしておくこと(坪木様は部下のモチベーターを手帳にメモ書きされていました)であると話してくださいました。

さらに、従来チームビルディングに利用されていた強み可視化ツールとの、現場リーダーとしての使い勝手の比較についてもお話しくださいました。

「従来、強みの可視化ツールも使ってきました。強みの組み合わせでのチームづくりに使っていましたが、強みは無意識に発揮されるものなので良いことばかりではありませんでした。それに対してAttunedは必須・中立モチベーターを軸に、コミュニケーションによる相対的な関係性づくりを目指しています。今その人が必要としているモチベーションの価値観が見える化されているので、チームビルディングに最適なツールだと思います」とお話しくださいました。


パルスサーベイで組織状態をモニターし、エンゲージメントに先手を打っていく

次に、人事のお立場で利用されている南部様はエンゲージメント活用の側面からお話しくださいました。

イメージ(サンプルデータより)

「2週間ごとに行われるパルスサーベイで組織状態を定点観測する、Attunedのエンゲージメント・サーベイも活用しています。組織状態の推移がわかるので、マネージャーは状態を把握しやすいですし、モチベーターごとにわかるので行動に結びつきやすいと感じています」

また、Attunedダッシュボードを通じ各組織のエンゲージメント傾向を把握し、特段の変化が見られる場合には各部マネージャーとのコミュニケーションに活用されています。

実際に、離職や休職者がでていたある部署では、パルスサーベイのモチベーター評価で雷マーク(充足度が非常に低い)が多く表示され、エンゲージメントが低下傾向にありました。

「当該部署の数名と話をしてみると、事務的な業務量が増え、社員の負担が大きくなっていたことがわかりました。事務担当を配属して本来の仕事に集中できるよう改善を図ったところ、エンゲージメントと離職予測の数値は25%改善しました」

「離職者がでた組織を細かく分析していくと、パルスサーベイの結果が下がっていたという例もありました。最小の組織単位でも自動的にモニターし、アラートが上がる仕組みが今後開発されることを期待します」とご要望をいただきました。

マネージャーに、武器を持たせてチームをマネジメント

最後に、Attunedの2年目のご活用で、導入範囲の拡大をされた理由と今後の予定を伺いました。

南部様は、「新事業領域の組織の人数が増えたのもありますが、Attunedを使ってきたマネージャーから継続して使いたいという要望があったことが、今回の更新に至った最大の理由です。コミュニケーションに課題がある部署でもトライアルをはじめました」とお話しくださいました。

小嶋様は「組織単位の大きな傾向を把握できる年に1回行われる他社のエンゲージメント・パッケージも使っていますが、個が見えないためマネージャーレベルでは何が課題なのか理解しづらく実際の行動に結びつきにくいと感じていました。マネージャーに武器を持たせてチームをマネジメントしていただく。そんな思いで継続を決め、今後は新規事業だけでなく導入部署をさらに拡大したいと考えています」と締め括ってくださいました。

(完)

2022/11/29 取材

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