小売業ならではの悩みを「Attuned」で解決 定着率UPの秘訣とは

日本最大級のコスメ・美容の総合サイト@cosmeがプロデュースするコスメセレクトショップ、@cosme STOREを国内のみならず海外にも展開している株式会社コスメネクスト。今年1月にはフラッグシップショップ「@cosmet TOKYO」を原宿駅前にオープンしました。

今回は、本社および国内全23店舗でAttunedを導入している、株式会社コスメネクスト取締役であり、フラッグシップストア事業部の責任者である、小原隆幸さんにAttunedを導入した背景、抱えていた課題、導入後の変化などを中心に小売店の特徴を踏まえお話を伺いました。

【課題】コスメ・美容の販売スタッフの定着率が低く、多様なバックグランドを持つ社員一人ひとりを正しく理解できていなかった

【解決策】2週間に1回という推移が短いスパンで追えるモチベーターサーベイの結果を違う個々に合わせて改善に取り組んだ

【結果】会社全体として、一人一人に個別に向き合わなければいけないという意識が生まれ、社員の離職率も低下

Attuned導入前は、どのような課題を抱えていましたか?

他の小売業と同じく、販売スタッフの定着率が低いというのが課題としてありました。年に20〜30名ほど採用しているのですが、1年経って残っているのが半分いたら良い方というような入れ替わり方をしていました。定着率を高めないと教育制度の効果も出ず、採用コストもかかるので、まずは仕組み面から人事制度や給与制度の見直しを行い、長く働くほど本人にとってメリットがある制度に変えることからスタートしました。その結果、離職率は25%前後まで下がりましたが、更なる対策として他社サービスの満足度調査を開始しました。当サービスのアンケート結果と私達が持っている肌感覚がリンクしないところが沢山あり、調査の結果や成果が、果たして会社としての施策に繋げられているのかずっと疑問でした。

この肌感覚の違いは、スタッフの多様性に起因しています。昔の販売スタッフは、個人のノルマがついて売上を上げることで喜びを感じるような人達が多かったので、例えば給与制度であれば、販売金額に応じてインセンティブをつけたりと、飴の部分を上手く組み込む制度になっていました。ですが現在、弊社には大学や専門学校の新卒で販売職を希望して入社する人や、中途でメーカーの美容部員さんをやっていた人が転職入社したりというように、バックグラウンドが様々です。他社の満足度調査との肌感覚の違いは、この多様なバックグランドを持つ社員の調査結果を平均値としてしか見られず、個々人を正しく理解できていないことにあったと思います。

Attunedを実施してみていかがでしたか?

最初に行う個々人のモチベーターサーベイの結果を、自分達の周りにいる何人かに当てはめた時、「確かにAさんはこういうモチベーター持っているね。BさんはAさんと確かにここが違うね。」という様にクリアに納得感を持って見られました。モチベーターの違う個々人に合わせ、具体的な取り組みとして結果が出せると感じました。

エンゲージメントサーベイに関しては、「それほど規模の大きくない拠点が全国各地に点在している」「パソコンの前で作業する時間が確保できない」という小売業の特性のため、半年に1回150から200の質問項目を紙ベースで行っていたのですが、全店舗スタッフへの実施に大変手間がかかりました。それに比べ、Attunedはスマホでも回答でき、数問を2週間に1回という頻度でフィードバックがされ、推移が短いスパンで追えたことも大きなメリットでした。

Attuned導入後、上司の方々にどんな変化がありましたか?

本社スタッフに顕著だったと思いますが、Attuned導入前はどちらかというと、やらないといけないタスクがあり、そのタスクを消化するためにはどうスケジュールを切って、どう部下を働かせるかがマネージャー達の意識としては強かった気がします。それが導入後には、各部署のエンゲージメントのスコア等が出てくる中で、「他と比べて、うちが低いのはなぜだろう」と考えた時に、タスクをこなす、終わらせる事をモチベーターとしてもつ部下ばかりではないという気付きがあったり、マネージャー同士で「スコアが上がっているけど、どんな事やっているの?」「何か新しい取り組みした?」という様な話を始めたのは大きな変化でした。個々人の思いや、こういう事を大事にしているということをより意識しながら、コミュニケーションをはかり始めました。

具体的にはどのような取り組みをされましたか?

本社では、「1on1」実施の時の参考資料として使ったことですね。丁度Attunedを始める前に「1on1」が始まり、業務以外の話を中心に、というざっくりとした指示しか降ろせず、管理職側からすると話のとっかかりも掴みづらいため、「最近どうなの?」という様にしか始まらないので、結局業務の進捗確認などで終わってしまい戸惑っていたようです。しかしAttuned導入後は、各個人のモチベーターを意識して、それぞれが考えているものを引き出す時に、自分のモチベーターも開示しながら、「自分だったらこういうのすごい面白いと思うんだけど、あなたはどう?」など少し通常の業務と離れた話ができる様になりました。その結果、部下がより積極的に上長に対して話をするようになったと思います。

他には、店舗の方でも、ファイナンスやステータスのモチベーターを充足させるため、より店舗内での露出を増やしたり、具体的な数字や売上の話をすることでスタッフのモチベーションを上げるなど、全方位的に活用しています。


@COSME全店舗でAttunedを導入された結果、どの様なことが分かりましたか?

エンゲージメントスコアには、店舗毎大きな差異がありました。その大きな要因として、上司部下間でどの位同じモチベーターを持っているかが考えられるため、スタッフの異動や配置の検討事項にAttuned結果を含めて考える必要があると感じました。また店舗にはそれぞれ特性があり、新宿店の様に、年間10億以上売るような店舗だと、接客やお客様との一対一のコミュニケーションが好きというよりは、お店をまわして、売上の達成に喜びを感じるような人がモチベーションが上がる環境だと思いますが、逆に小さな店舗や地方の店舗だと売上に上限があるため、数字や売上の達成にモチベーションを感じる人は、少し息苦しさが出てきてしまいます。そういった店舗には、お客様とより深いコミュニケーションを取る、ヒューマンタッチなところの喜びを感じる人達を優先的に配置するという様に、お店とスタッフの相性も考えなくてはいけないと実感しました。

また、店長とスタッフの間でも、各個々人に合わせたコミュニケーションを取っていますが、新しい店舗の出店時や人事異動の時に、店長だけでは対応しきれなく離職に繋がるケースもあります。なので、そこのアラートを会社としてどう拾い上げるか、環境が変わった店舗スタッフに対しても、店長だけでなく本社のメンバーとしても、サポートするような仕組みを作っていく予定です。

Attunedが最も役立ったことは何ですか?

会社全体として、一人一人に個別に向き合わなければいけないという意識が生まれたことだと思います。「xx店」の人達、店長の人達という集団のくくりではなく、Aさん、Bさんというように一人一人個別に向き合わないと、全員に向けたメッセージを発信しても響く人と響かない人がいるという意識がついたのは、一番良かったと思います。

また、下げ止まっていた離職率も、今ではより一層低下してきています。会社の人数も増えたので、Attunedを採用していなかったら、特に店舗スタッフの離職率がだいぶ高くなっていたのではないでしょうか。

海外店舗も含め、ATTUNEDを活用した今後の目標やプランをお聞かせください。

仕組みの使い方としてはスタッフの配置や異動の他、採用時のスクリーニングで、@cosme STOREが大事にするものにモチベーションを感じてくれる候補者を選ぶためにAttunedを利用したいと考えています。また、香港とタイの海外8店舗に関しても、最終的には日本から海外、海外から日本にというようなクロスボーダーの人事異動というのも考えられます。そういった部分で国内外、同じ評価基準、国籍問わず横並びで見た時に、このスタッフはこの店舗に合う、という評価が出来るような仕組みとしてAttunedを活用していけるとよいなと思います。

最後に、Attunedをどの様な企業やマネージャーに薦められますか?

人に依存している業種や業界、その中でも仕組みではなく一人ひとりの人材に価値を感じ、そこを大事にしようとしている会社の人達に勧めたいです。

User caseEQIQ