1on1ミーティングとは?より良い職場・キャリア構築のための実践方法

今回は日本でもかなり浸透してきた1on1ミーティングのやり方、さらに関係性を深める1on1ミーティングについてご紹介します。そして、なぜ1on1ミーティングが必要なのかと効果的な実施方法とは何かを考えていきましょう。

 
 
 
 

1on1ミーティングとは?

そもそも1on1ミーティングとは何でしょうか?

1on1ミーティングは上司と部下が、「部下の成長のために」一対一で行う定期的なミーティングです。業務上の指示や進捗の確認がメインではなく、部下が最近仕事で困っていること、他にやりたいこと、自分の中長期的キャリアに関してどのような考えを持っているのかについて話すことが中心になるのが1on1ミーティングの特徴です。

1on1ミーティングを行う頻度は特に決まっていませんが、Googleによると、1週間に1度、毎回30分程度行うことがフィードバックが早くなって部下の成長のためには理想的です。もちろん、部下の人数が多いなど、状況に応じて1on1ミーティングの頻度や一回分の長さを変えることはかまいません。ただし、頻度が高い方が1on1ミーティングの効果も高いことは頭に入れておきましょう。

 
 
 

1on1ミーティングが必要とされている背景

このような1on1ミーティングを行うことが求められている背景には何があるのでしょうか?


リモートワークの浸透:リモートワークが多くの企業に浸透してきていますが、どうしても同僚、部下とのコミュニケーションの機会が取りづらいというデメリットもあります。しかし、1on1ミーティングによってコミュニケーションの機会を確保することでこの問題を改善できます。


キャリア意識の変化:日本では年功序列制などが崩れていく中でキャリア意識にも変化があると考えられます。その中で個人としての成長を重視する従業員にとっては、自分が着実に成長しているか周囲の意見や、成長のための周囲の支えを必要としている場合があり、1on1ミーティングはこれに有効なのです。

個人への注目:従業員が自分が適切に注目されていない、または過小評価されていると感じている可能性があります。 1on1ミーティングによって、マネージャーが組織全体だけでなくそのような個人に対しても気を配っていること、従業員の成功に期待していることを示すことができます。


コミュニケーションへの欲求:どのような組織においても、効果的なコミュニケーションは成功に欠かせません。1on1ミーティングは、個人がよりプライベートで集中できる環境の中で、重要な問題について話し合い、質問し、フィードバックを共有する機会が得られます。

このような、従業員個人の成長志向やコミュニケーションの課題が1on1ミーティングの必要性が増している背景となっていると考えられます。


1on1ミーティングの目的

先ほども述べたように1on1ミーティングの大きな目的は部下の成長を促すことです。またこのミーティングを通して上司と部下の関係が向上し、ひいては組織全体の人間関係の改善も期待できます。1on1ミーティングの大きな目的は部下の成長の後押しや上司と部下の信頼関係の強化、従業員エンゲージメントの向上です。1on1ミーティングにおいて部下が普段から自分自身について業務や組織全体について思っていることを聞き出すことがこれらの実現のために大切になります。


1on1ミーティングのメリット

また、ここで1on1ミーティングのメリットを従業員、上司、組織全体の視点から見てみましょう。

従業員にとっての1on1のメリット

1on1ミーティングを行うことで従業員は上司から適切なフィードバック、アドバイスを得ることができます。成長のために越えなければならない壁は何か、普段困っていることは何か、それらの解決には何が必要か伝えることで、上司からサポートを受けやすくなります。1on1ミーティングで経験豊富な上司から親身でありつつ、客観的な意見をもらえるのは貴重な機会となるでしょう。


上司・組織にとっての1on1のメリット

マネジメントに関する調査を行うGallupによると、上司と定期的にミーティング(1on1ミーティング)を行う場合の方が、そうでない場合より、従業員エンゲージメントが約3倍高くなるといいます。他にも Gallupの調査結果では、年に一回上司からフィードバックを受ける場合と比べて、毎週フィードバックをもらう方がよりやる気がでて、エンゲージメントが高くなると考えられるようです。

このように適切に1on1ミーティングを行うことで優秀な部下のエンゲージメントを高めて離職を防ぐことができ、チームの結束を強くすることが期待できます。


また、上司にとっては、コーチングやリーダーシップスキルの向上の機会ともなります。部下と真剣に向き合うことが、実は上司自身の成長にもつながるのです。

さらに、1on1ミーティングはパフォーマンスの向上にも繋がります。GoogleのProject Oxygenの調査によると、部下と頻繁に1on1ミーティングを行っているマネージャーは、こうしたチェックインを行っていないマネージャーよりも業績が高い傾向にあることが分かっています。つまり、組織で1on1ミーティングが頻繁に行われれば行われるほど、平均的なマネジャーのパフォーマンスは向上するのです。このように1on1ミーティングによってマネージャーのパフォーマンスも高まり、組織全体に良い影響を与えるといえます。



 
 

1on1ミーティングの行い方


それでは、1on1ミーティングはどのようにして行えば良いでしょうか?

Yahoo!で1on1ミーティングを導入した後、1on1ミーティングの専門家として活躍している堀井耕策氏によると、まず大切なのが毎回1on1の目標を明確にすることです。「困っていることは何か」「どのような面で成長したいのか」を明確にしてから1on1ミーティングに望むことで、それについて話を深めていくことができます。さらに話を円滑に進めるためにはミーティングシートなどのテンプレートを用意するのも効果的でしょう。

ここで典型的な1on1ミーティングの進め方を確認しましょう。

  1. スケジュールを調整し、日時や場所を決定する

    ミーティングの場所に関しては、個人的な話を落ち着いてしやすい所が望ましいです。集中できる環境であれば、公園などオフィス外でも良いでしょう。

  2. アジェンダを用意する

    話題を事前に決めておくことで限られたミーティングの時間を有意義にできます。アジェンダを用意し、共有することで、参加者が事前に準備できるようになります。

  3. 状況報告

    ミーティングの冒頭で、仕事の進み具合や課題などを報告します。前回のミーティングと比べてどのように状況が変化したかを明確にすることが大事です。

  4. 改善策の話し合い

    アジェンダに沿って、話し合いを進めます。問題は何か、改善策や必要なヘルプは何かについて話し合います。ここで大事なのが上司からのフィードバックです。

  5. 今後の計画

    話し合いの結果、次のステップや改善策を決定します。具体的に誰がいつまでに何をするのかも決めておきましょう。

  6. 終了

    次回のミーティングの日程を決めて終了です。


1on1ミーティングのポイント

先ほども紹介した堀井氏によると、まず大事になるのは「関係の質」です。部下に「話すことがない」などと言われたり、思われたりする時点で二人の関係があまり良好ではないということが言えるでしょう。 また、上司の方は部下に対して「これ常識でしょ?」「前にも言ったよね?」 「自分でちゃんと考えた?」などの発言をしていないでしょうか。

このような会話に心当たりがあるようなら、お互いの価値観や結果に対する期待値にズレが生じている可能性が非常に高いです。メンバーがどんな価値観を持ち、解釈をする人なのかを適切に理解することがとても重要で「関係の質」を高めるポイントとなります。”

また部下にとって気軽な雰囲気を形成することも重要です。これにより自分一人で抱えがちな問題も共有してもらいやすくなります。そして上司の方は、ミーティングの8割は聞く側に徹しましょう。前述の通り、1on1ミーティングには上司や組織への大きなメリットがあるものの、あくまでも部下のためのミーティングであることを頭に入れておくことが大事です。


 
 
 

Attuned 式の1on1ミーティング

最後に、1on1ミーティングでのAttunedの活用方法をお伝えします。

Attuned式1on1の利点

Attunedのモチベーターアセスメントを利用することで、1on1ミーティングにおいて部下のモチベーターを活用しながら本音を引き出し、誰でも職場における適切な対話を組み立てられるようになります。

職場における親密さをどのように構築すべきでしょうか?個人的な趣味の会話や週末の過ごし方など、アイスブレイクにはよいでしょう。しかし、距離を縮めて対話をしていくために、セクハラやパワハラと受け取られないよう配慮する必要があります。価値観が多様化しビジネスの複雑さもましている状況では、「昔はこうだった」という話題は好意的に受け取られない可能性すらあります。

Attunedは職場において適切な範囲の話題を提供します。通常話題に上がりにくい、お互いの価値観・モチベーターに関して客観的なデータを元にするので気楽に話し合うことができます。さらに上司が部下を知るだけでなく、部下も上司を知ることができ、お互いの理解が深まり、接しやすくなります。そうすれば双方にとって1on1ミーティングが苦痛に感じることはきっとなくなるはずです。

ここで1on1ミーティングにおける、部下のモチベーターについての会話例をみてみましょう。

  1. 上司が「Attuned の結果を見てどうでしたか?」と聞く。(率直な意見を聞き出す)

  2. これに対し部下は、主観的な自分のモチベーターと、Attunedの結果が大体同じなのか、違うところはどこかを伝える。(自分のモチベーターは何かを客観的に把握)

  3. 上司も自分のモチベーターレポートを共有して、どのようなモチベーターが同じか、違うかを比べる。同じモチベーターでも具体的なモチベーターを比べる。(例えば、「競争性」がモチベーターの場合、「他者との競争」がモチベーターになっているのか、「自分との競争」がモチベーターになっているのかでは違う。)

ここで注意すべきことは、「アセスメントの結果に良し悪しはない」ということです。

具体的には、Attunedのモチベーターアセスメントは性格診断や能力診断ではないこと、モチベーターが低いということは、それに関する能力がないのではなく、「そのような要因がなくても仕事のモチベーションには変わりがない」ということを示します。

例えば、「社交性」モチベーターが低いのは「社交的でない」ということを表しているのではなく、「社交的な環境がなくてもモチベーションに影響がない」ということを示しています。逆に、高いモチベーターのない環境ではモチベーションが下がってしまうということを意味します、

このような、モチベーターアセスメントと、性格・能力診断の違いを部下にも伝えておくことが重要です。

お互いのモチベーターについて深掘りした後は、それぞれへの理解を踏まえた上で今後どのように接するかを確認し合いましょう。

いかがでしたか?1on1ミーティングを導入することで社内コミュニケーションを活性化させ、パフォーマンスも向上させることができます。興味のある方はぜひ実践してみてください。また、Atunedで測定できる11のモチベーターについて知りたい方はこちらからご覧ください。