「なぜ山に登るのか?〜内発的動機を知る旅」連載が始まりました

 
 

2021年10月、Attunedライターフェローシップの受賞者を発表しました。スペイン在住の作家、タニア・ラベサンドラタナさんは、審査委員会によって選ばれ、1年間にわたり、あらゆる内発的動機を探求していくためのニュースレターを執筆することになりました。

ニュースレターの全文はこちらから、無料でどなたでも購読していただくことができます(英語)。Attunedブログの執筆陣は、日本語での展開を検討してきましたが、ニュースレターの中から厳選した記事をご紹介していくことにいたしました。

さて本日は、タニアさんの最初の記事「Why Would Anyone(邦題:なぜ山に登るのか?〜内発的動機を知る旅)」をお届けできることを嬉しく思います。

なぜ山に登るのか?〜内発的動機を知る旅 #1(全文)

by タニア・ラベサンドラタナ

なぜ私は内発的動機づけを探求するニュースレターを書くのか? その目的、そしてなぜ私がこれを執筆するのに最も不適当だが最適な人間なのか?

「ママ、僕の絵は好き?綺麗?」と私の4歳の子どもが何度も私に何度も尋ねてくるとき、彼は創作の純粋な喜びではなく、私の承認を求めているのだとわかり、少し悲しく、また腹立たしくなります。

でも、ジグソーパズルに熱中していたり、泳ぐことに夢中になっていたり、誰も聞いていないのに歌を作っていたりと、彼が心底夢中になっている時もあります。そんな彼の気持ちは私にも伝わってきます。正直、ちょっとうらやましいとすら感じます。

ところで、あなたが最近、ただおいしいものを食べたいと思って食事をしたのはいつでしょうか?

私は自分の目標に向かって、楽しく、やすやすと、しかし誠実に進んでいる人を尊敬しています。私の場合は、両親を喜ばせたいという気持ちをもとに人生を歩んできました。両親を喜ばせ、先生を喜ばせ(幼稚園、小学校、中学校、講師、運転教官)仲良しの友達、同居人、義理の家族、雇用主、近所の人たちを喜ばせたいと思っています。他の人が自分に何を期待しているかを理解し、その人たちのルールに従うことで、私は優等生になることができるのです。

私の人生が良い点数を取り、楽しい人間関係を築き、楽しい経験をするだけであれば、それで十分でした。

しかし最近私は考えるのです。

私は一体どうやってここまで来たのだろう?あなたは?そしてどこへ向かうのかしら?

それを知るために、次の12ヶ月、そしてできればその先の12ヶ月を捧げたいと思います。

私の仕事

私の仕事 この記事のヘッダーにあるように、私はソフトウェア会社のAttunedから1年間のフェローシップを得て、このオンライン・ニュースレターを立ち上げ、内発的動機づけをテーマに幅広く執筆することになりました。(私はこのテーマを自由に探求することができ、企業コンテンツを書く必要がありません)。

7月にフェローシップに応募する前、私の内発的動機づけに関する知識は、育児書や記事を読んだ程度のもので、内発的動機づけは純粋でメリットの多いもの、そして外発的動機づけよりも優れているものだと認識していました。

それ以来、物事はそれほど単純ではないことを知りましたが、これが私の出発点です。

 
 

私は母親として、子どもたちの自主的な精神を守り、彼らが喜びや好奇心を追求できるように邪魔をしないようにしたいと思っています。しかし私は自分自身の遊びや探究心をないがしろにしてきました。自分ができていないことを、どうやって子どもたちに提供するというのでしょうか。

子どもたちに大切な価値観や行動について語ることは、実際に生きて模範となることよりも簡単だと思います。

このニュースレターを通して、私は「内発的動機」を理解して、より近づき、自分の中にしっかりと落とし込みたい思います。子育て、フリーランス、語学学習、ロッククライミングなど、私たちの生活のあらゆる分野で、内発的動機がどのように現れるのかを探っていきます。

ぜひ、私の旅にお付き合いください!

タニア・ラベサンドラタナ

2010年以降、私は科学・政策ジャーナリストとしてScience誌SciDev.Netなどの本格的な出版物に寄稿し、査読付きの研究や専門用語を多用したレポートを読んできました。ですから、多少のマニアックさは覚悟しておいてください。

アーティスト、アスリート、子ども、経済学者、神経科学者、政策アナリスト、心理学者など、内発的動機を研究し、体現している人たちと対話をしていく予定です。

このニュースレターの目標を完全に自分で思いついたわけではないというのは、いささか皮肉です。私が内発的動機を探求する最初の理由は、まあ、外発的なもので、私はここに仕事で来ていると言えるでしょう。同時に、このミッションは、このニュースレターを自分のものにするための練習だと思っています。

一緒に楽しんでいただけたら、幸いです。