心理的安全性を活用して離職率を低下させるためには?

ここ数年では、「大辞職時代」と呼ばれる記録的な離職者が続出し、離職率というテーマがクローズアップされ、注目度が高まっています。

離職率を0にすることは難しいですが、離職率が高くなると大幅な採用のコストとなります。SHRM(人材マネジメント協会)の調査によると、雇用主は平均して社員の給与の6ヶ月から9ヶ月分を後任の社員を探し、教育するために費やす必要があることが分かっています。さらに、これ以外にも勢いと機会の損失、退職する従業員がその知識や人脈を競合他社に流出させるリスクなどあらゆるコストが発生するのです。

では、事前に回避できた離職を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?


心理的安全性を活用する

従来の離職の予測因子として考えられてきたのは、「仕事への満足度」と「組織へのコミットメント」の2つでした。しかし、ここ10年の間に新たな離職に関わる強力な予測因子に証拠と注目が蓄積されつつあります。それは、「心理的安全性」です。

心理的安全性とは、従業員が同僚から評価されていると信じていることが大切です。アイデアを共有したり、意見の相違を表明したり、問題を指摘したり、ミスをしたりといった「リスクのある行動」をとっても厳しく判断されたり、拒絶されたり、不当な不利益を被ることはないと考えたときに生じる安心感のことです。例えば、上司に怒られ、トラブルメーカーのレッテルを貼られることを心配せずに、設計の欠陥を指摘することができる。また、チームメイトから自分が無能であると判断されることを気にせずに、助けを求めることができる。


心理的安全性とは、従業員が同僚から評価されていると信じていることが大切です。アイデアを共有したり、意見の相違を表明したり、問題を指摘したり、ミスをしたりといった「リスクのある行動」をとっても厳しく判断されたり、拒絶されたり、不当な不利益を被ることはないと考えたときに生じる安心感のことです。


心理的安全性は、業績向上、エンゲージメントや顧客満足度の向上、イノベーション、社員のウェルビーイングなど、企業にとってさまざまなプラスの効果と強く結びついていることが、研究により明らかにされています。つまり安全で大切にされているという心理的安全性が確保された従業員は、その会社に留まりたいと思うのです。
この直接的な効果は、コーチングの質や金銭的インセンティブの量など、他の予測要因をも凌駕しています。さらに心理的安全性は、仕事への満足度や組織へのコミットメントといった従来の離職の予測因子を強化することにより、間接的に離職率低下に貢献することができます。

ここでは、職場での心理的安全性の確保のために大切な5つの目標について紹介します。


1 インクルージョン

何よりもまず大切なのは、従業員に「自分の意見が求められ、評価されている」と感じてもらうことです。これは従業員の意見を明確に求め、議論に貢献するよう誘い、彼らの仕事がいかに重要であるかを強調することで達成されます。またすべての従業員、特にリーダーが近づきやすい存在であることも必要です。
具体的には職場での排他的な付き合い方を避け、「オープンドアポリシー」を採用することです。例えば、特定のグループや個人を排除したり、不快にさせたりしないような言葉を使い、差別には迅速に対処することです。 

2 自律支援

自律支援とは、従業員に裁量権を与え、上司からの監視の目を緩めることです。たとえ最初は意見やアイデアの交換の場であっても、意思決定の場に参加させ、可能であれば決定権を与えることが自律性を育むことにつながります。そうすることで、従業員の能力を肯定的に評価し、信頼することができます。また、自分の行動をすべて上司に確認しなければならないという不安感も軽減されます。そして自律性の支援は、心理的安全性のもう一つの重要な前提条件である、ヒエラルキー文化からチームワークマインドセットへのシフトにも関わってきます。そのためリーダーは目標やルールを設定する際にチームメンバーと協力し、頼ったりすることに慣れる必要があります。

3 明確性の向上 

これは、従業員がリスクのある行動をとったときに何が起こるかを予測しやすくすることを意味します。そのためには情報の透明性を確保し、オリエンテーションを徹底し、複数のフォーマットでポリシーと実践方法の概要を明示し、従業員が完全に理解したと感じるまで練習や質問をする場を提供することが必要です。

4 ミスや学習に対してポジティブな風土をつくる

これは実験や新しいスキルの開発といった業務プロセスに携わる従業員が、罰や批判を受けることへの恐怖を軽減することです。そのためには、ミスを学習の機会としてとらえ、非難を避けることが大切です。また正直にミスを報告した社員には罰するのではなく、報いるということです。またリーダーは、自分が間違いを犯したときや知らないことがあるときはそれを認め、自分の誤りをオープンにすることが奨励されます。

5 質の高い人間関係

質の高い人間関係をつくるということは、全員が友達になることを意味するのではありません。むしろ社員が自分を見てくれていると感じ、人として大切にされ、何かあれば同僚が助けてくれると確信できるような関係を築くことを意味します。そのためには、同僚の仕事以外の生活にも関心を持ち、自分自身の情報も共有することです。また、お互いの仕事のスタイルや好みについて知ることも、エビデンスに基づいた介入の一つです。
これはAttunedのようなモチベーションの源泉を可視化できるツールを使うことでより効果的になります。そして最後に、相手の感情に気を配る、励ましの言葉をかける、話を聞く、仕事上の手助けをするなどのサポートを提供することです。 

Attunedを活用して心理的安全性を確保した職場へ

Attunedでは、心理学者とデータサイエンティストのチームが、仕事に関係する内発的動機づけを洗い出し、クラスター化と検証を経て 11 個に絞り込みました。
それらの11の内発的動機のことを、動機づけるモノ・コトという意味で「モチベーター」と呼んでいます。

さらに55の質問からなるモチベーションアセスメントを受けていただくことで、個人にとってどのモチベーターが最も重要なのか、どのような仕事で最高のパフォーマンスを発揮するのか、どのような環境で最も活躍する可能性が高いのかを示すモチベーター レポートを提供し、心理的安全性の高い職場を作るための手助けとなります。
また、Attunedでは、1on1やワークショップを通じて、企業の心理的安全性を評価し、改善するお手伝いをしています。すでに職場で心理的安全性に課題を感じている場合でも、健康的でモチベーションの高い環境を維持したい場合でも、ぜひ私たちにこちらからご相談ください。

また、現在Attunedは30日間の無料トライアルも実施しています!ご希望の方はこちらをチェックしてみてください!



Melissa Tarantola, Ph.D.

Psychologist

モチベーターレポート