教育現場における自己理解にAttunedを活用

上智大学
外国語学部 英語学科
出口 真紀子 教授

文化心理学(文化とそれを構成する人間の心理的プロセスとの相互作用を研究する心理学の一分野)を専門とする出口教授は、自己理解を深めるための学習プログラムを実践されています。

出口教授は、大学1年次に取り組む英文エッセー課題のなかで学生が使用するツールとしてAttunedを推奨していただいています。教育現場でのAttuned活用について伺いました。

自分を知るための鍵として内発的動機づけを学ぶ

出口教授は、自分自身について分析するエッセー課題に取り組ませる中で、複数の心理学アセスメントを活用した自己分析の手法を学生に教えています。

「自分の心のありようを分析し、どのような人であるのかを理解する鍵として、Attunedと他の心理アセスメントを併用しています。Attunedは働く上での内発的動機づけ(モチベーター)を可視化するので学生にフィットするのか心配でしたが、どの学生もアルバイトやサークル活動などで役割をもった仕事の経験があるので理解しやすいようです。さらに、モチベーターの把握を通じて仕事をする上で自分にとって何が大切なのかについて理解が得られることは、学生が直面する就職活動においても十分活用できます。」とお話しくださいました。

文化心理学を専門とする出口教授は、Attunedの価値をこう語ります。

「私が授業を作っていく上で最も大切にしているのが、DEI(ダイバーシティ&エクイティ&インクルージョン)の価値観を身につけ、発言・参加しやすいインクルーシブな雰囲気がある場づくりです。Attunedは一人ひとりの価値観はそれぞれ異なっているということを教えてくれるので、学生のうちからそれに気づけることは意味のあることだと思います。

「文化心理学からの視点では、個人の特性を褒めて伸ばし、さらには自身でセルフプロモーションすることが価値につながる西洋の文化もあれば、努力が重んじられ短所の克服に注目する日本の文化もあります。Attunedで定義している11のモチベーターは、文化心理の違いに関係なく使えるユニバーサルな価値観だと思いますので、特にグローバルで活躍したい日本人の学生にとっては、相互尊重に基づいたアサーティブなコミュニケーションを身につけていくための鍵としても理解しておきたい側面です。

 
 

就活支援にAttunedを活用

出口教授は、「自分のことを知るためにモチベーションアセスメントを活用することは、思わぬ自分の側面を発見する気づきにつながります。」としたうえで、学生の就職活動支援におけるモチベーターの活用の意義をこう強調します。

「学生からでる就職活動に関する不満の第一位は、『会社は一人ひとりをみてくれていないと感じること』です。だからこそ、モチベーターを自ら把握しておくことは、個を持った人として働いていく上で大変意義のあることだと思います。」

自分のモチベーターを把握しておけば、どのような職場環境がモチベーションを向上させるのかがわかるので、幸せに過ごすための職場環境があるのかを知るための鍵となる質問を通じて深堀りすることができるでしょう。

例えば、面接では『何か質問はありませんか?』と必ず聞かれますので、自分のモチベーターに沿った質問をすることができます。具体的には、『自律性』が必須の学生は、『業務を任せてもらえるようになるにはどのように頑張ったらよいでしょうか?』『会社に指導プログラムはありますか? 新人研修期間中はどのようなサポートを提供してもらえますか?』などです。(モチベーターを使った「質問集」があるのでご覧になりたい方は、お問い合わせください)

これは、自分の価値観を中心とした職場理解への質問として、ユニークで差がつくポイントにつながります。」とお話しくださいました。_

 
 

今後の予定

「学生の就職支援については大学を挙げて力を入れていますので、モチベーターの活用も取り入れつつ、学生の成長にとって意味のある支援につなげていきたいと考えています。」