組織エンゲージメントを高める次の一手: 人材マネジメントへのデータ活用

上司部下の信頼関係を醸成する、
1on1での向き合い方とは?

お客さまのDX推進を支えるデジタライゼーションサービスや、クラウド、セキュリティ、BPO等のサービスインフラを活用したマネージドサービスを強みとして、お客さまの経営課題解決を支援するワンストップサービスを提供する株式会社日立システムズ ビジネスクラウドサービス事業グループ様。

コロナ禍による「新しい働き方」を進めていくにあたり、リモートでの関係性向上などコミュニケーション改革を主導するべく、組織のエンゲージメント向上・モチベーション向上を目的にAttunedを活用し効果を挙げました。

株式会社日立システムズ

ビジネスクラウドサービス事業グループ 主管技師長

渡辺 静香 様

 
 
 

課題 コロナ禍以降を見据え、信頼感の高いチームをつくりたい

解決策 相手の価値観に寄り添った「1on1対話」

結果 エンゲージメント 20%→70%、離職予測 70%→20%

 

新しい働き方に対応しながら、
信頼のコミュニケーションを築きたい

日立システムズ様の人事総務本部が行った新しい働き方に関する意識調査では、コロナ禍での在宅勤務への移行により約3割の社員が業務効率の低下を実感、4割が精神的負担感が増加と回答されました。その理由の一つには、「コミュニケーションの頻度・方法」が挙げられ、さらに健康上の問題が生じた際のサポートとしては「上長の理解、支援が必要」と多くの方が回答されています。

渡辺様は、人材マネジメントへのデータ活用をしようと考えたきっかけについて、「私が部長として新部署に着任したタイミングにコロナ禍で在宅勤務へ切り替わり、コミュニケーションの質・量に課題を感じていました」と話します。

具体的には、「助けを必要としている人がいないか、健康に問題がないか、生産性が落ちていないか。受動的で表情が浮かないメンバーもいたなど、様子が見えにくいことが原因で、さまざまな面で組織マネジメントに課題がありました。」「今考えれば、メンバーはもっと不安だったと思います。コミュニケーションのきっかけをマネージャーの側からつくって心理的に安全な場所をつくっていくことが必要だと考えました」とつづけます。

個人の価値観を踏まえた、現場マネージャーとメンバーの1on1で「対話」を推進

そんな時に、AttunedパートナーであるW-Insight新谷様から推薦されたのが、個人のモチベーションの価値観を可視化するAttunedと、データをもとにメンバーの内面を理解した上で行う1on1ミーティングの研修プログラムでした。

「Attunedのアセスメントを使えば、どんな仕事の依頼の仕方ならやる気スイッチが入るのかがわかります。実際にそのデータを使って対話をしてみると、業績管理の仕事を希望している、開発にもっと没頭したいなど、年に2度の面談からは聞くことのできない個人の声を引き出せるようになりました。本音を知ることでより生産性の高いチームビルディングができると考えています。」と渡辺様。

 
 

実際に価値観のデータを相互開示して対話に臨むことで、【価値観は人それぞれ異なっている】【それも個性である】ことを共通の理解としたうえで、対話に取り組むことができます。

具体的にはまず、マネージャーを対象としたチームマネジメント研修プログラムを実施し、その後にメンバーを対象とした「対話」ワークショップまで広げていきました。

講師として研修をリードされた新谷様は、「Attunedモチベーションアセスメントが明らかにするのは、能力ではなく、その人のモチベーションの価値観です。それまで職場で見せたことのない側面を見せることで職場での関係性が促進されたことを実感したマネージャーの方が、さらにメンバーに展開していかれました。

リモートワーク下でも、一歩踏み込んだコミュニケーションができるようになったとの感想をいただき、講師としても嬉しかったです。」と所感をお話しくださいました。

これに対し、渡辺様は「まずマネージャーが自己開示をすることで、心理的安全性が高まって率直なコメントが聞けるようになったのでは」と話します。「渡辺さんになら言っても大丈夫」と思ってもらえる関係性を目指して、モチベーターを日頃のコミュニケーションに持ち出す工夫なども織り交ぜながら、チームマネジメントに取り組まれています。

対話とパルスサーベイ、アクションの
PDCAの結果、エンゲージメントが上昇

匿名のエンゲージメント パルスサーベイを使って対話の成果を可視化しました。

渡辺様は、「AIがリコメンドするアクションのなかから、まずできるところから取り組みました。例えば、フィードバック必須のメンバーの話を承認する、声かけを増やす。安全性を必須とするメンバーの多いチームの悩みを一緒に考えるなどです」

その結果、対話とパルスサーベイ、アクションのPDCAをはじめて数ヶ月後には、エンゲージメント 20%→70%、離職予測 70%→20% と、顕著にエンゲージメントが上昇しました。

 
 

また渡辺様は、「自由記載に多く記入するよう依頼をしたところ、メンバーの率直な意見や不満を吸い上げることができ、現場マネージャーがメンバーの気持ちに気づけるよう対話を促しました。」と、運用のコツをご紹介くださいました。

渡辺様は、会社全体の満足度調査サーベイでは、現場のチームビルディングとしてどこから手をつければ良いか、打つべき一手がわかりにくいと感じていたと語ります。「モチベーションの価値観という切り口は、まさにその方が今求めているもの・価値観につながっていることから、打ち手がわかりやすく活用しやすいと感じています。」とお話しくださいました。

全対象者から取得したアンケートでは、「Attunedの活用について、97.5%の方がコミュニケーションに活かせる」とのフィードバックをお寄せいただきました。

さらに渡辺様はこう続けます。「お客様の業務支援を生業としている私たちのビジネスにとって、自組織のモチベーションやエンゲージメントが高いことは必要なことだと思います。そして、なにが自分自身と相手のやりがいにつながるのかを知ることは、お客様の業務や課題を理解することに非常に役に立つとも考えています」。

今後も、質の高い組織づくりへの
取り組みを続けていく

渡辺様は、環境が急速に変わっていく現状下で新たなビジネスモデルに対応できる組織を作っていくためには、個人・組織の活性化が鍵であると語ります。まずは多様な個人の価値観をダイバーシティとして捉え、個人が「言える」「聴ける」状態をつくり、さらに個人のリスキルや学び直しを管理職が支援する状態をつくり、その結果として従業員エンゲージメントが向上する状態をつくるというものです。渡辺様は、「ダイバーシティの取り組みの出発点としても、個人の価値観どうしを比較できるAttunedは最適だと思います。」とお話しくださいました。

最後に、次なる仕掛けを伺いました。

「Teams上でのバーチャル組織で、“ワクワク会”と呼ばれるグループを立ち上げました。質の高い組織づくりに熱意あるマネージャーが一人でも多く誕生するよう、情報交換をしたり励まし合うことが目的です。これを起点に、今後も会社の経営を支える活力ある組織づくりに邁進したいと思います」。

User caseTomoya Yoshida