9割の参加者が有意義と回答した、職場における効果的な対話促進支援の取り組み

D&I:多様性を生かした価値創造に向けAttunedを活用

世界約40以上の国・地域で28万人以上の人材が活躍する住友電気工業株式会社では、中期経営計画「2030ビジョン」やグローバルHRMポリシーの中でダイバーシティ・インクルージョン(D&I)に焦点を当て、多様な人材を活かして組織の活力と競争力を強化することを宣言しています。

同社ダイバーシティ・インクルージョン部では、主に女性活躍推進に取り組む中、その一環として上司と新人女性総合職との対話(1on1)においてAttunedによる内発的動機づけの可視化を活用し、異なる価値観や多様性への理解と信頼感の醸成に繋げるべく、効果的な対話促進を支援する取り組みを行っています。

住友電気工業株式会社 

ダイバーシティ・インクルージョン部 企画推進グループ
グループ長 野瀬麻里子 様、空川佑妃 様

 

野瀬麻里子 様(写真左)、空川佑妃 様(写真右)

 
 

課題:D&I推進により多様な人材が最大限能力を発揮できる環境整備

解決策:モチベーター可視化・対話により上司・部下の相互理解と信頼感醸成を促進

結果:約9割の参加者が有意義と回答

 

課題

D&I推進により多様な人材が最大限能力を発揮できる環境整備

住友電気工業株式会社におけるダイバーシティ&インクルージョン推進についての基本姿勢として、野瀬麻里子 様はこのようにお話しくださいました。

「D&Iは組織の持続的な発展や成長のために、組織の多様な人材が最大限能力を発揮して、成果を創出する手段の一つです。そのためには、組織ビジョンを共有し目標に向かって共働し、一人一人が責任を持って目標を達成していくことが必要であり、当社では、組織内の「多様な視点」「信頼関係」「能力の発揮」を掛け合わせることで社員の総和以上の力を発揮することを「インクルージョン」と定義し、より良い問題解決や創造性、アイディアの創出を目指しています。」

ダイバーシティ・インクルージョン部では様々な多様性に配慮しつつも現在、女性活躍の環境づくりに力を入れています。「採用、登用のみならず、キャリア意欲の維持という観点においても、育成や組織力強化の風土醸成も含め支援していく必要があると考えていました。」と続けます。

 
 

解決策

モチベーター可視化・対話により上司・部下の相互理解と信頼感醸成を促進

同社では近年、女性総合職の採用数増加に伴い、女性総合職を初めて部下に持つ上司からは「女性総合職への接し方、適切な指導方法を知りたい」との声がありました。同時に、女性が少ない部門の女性総合職からは「(主に男性)上司とのコミュニケーションに不安がある」との声もありました。そこで新人女性総合職とその上司を対象に、Attunedを活用して内発的動機づけを可視化することで相互理解の促進と効果的な対話の進め方に関する研修を上司向け・新人女性総合職向けにそれぞれ実施し、研修後に二者でアセスメントを使った1on1対話実施までをセットにして、ダイバーシティ・インクルージョン部がフォローアップしていくプログラムを、2022年度・2023年度に導入。

Attunedを採用した理由として、野瀬様は「今まで様々なツールを試用した中で、Attunedのモチベーターという切り口に非常に腹落ちしました。」と語ったうえ、「チーム内で各自のモチベーターを共有した際、各々がどういう時にモチベーションが上がるか、下がるか、もしくは影響がないかという事を話し合ったことで相互理解が進み、その後の仕事のアサインのポイントを抑えたり、相手に響く声掛けがしやすくなったと感じました。一人ひとりの価値観の違いや考え方・行動の背景への理解に繋がるため、効果的なコミュニケーションを取りやすくなると感じ、新人女性総合職とその上司向けの研修でAttunedを活用することにしました。」

具体的には、上司向けには(性別や国籍などの属性だけでなく、思考の)ダイバーシティの必要性について理解を促すとともに、特にZ世代の傾向・価値観を把握、上司の役割と現代にあったコミュニケーションの在り方を改めて認識し、考える研修を実施。研修では、内発的動機づけやモチベーターを活用しながら、(コミュニケーションを諦めない)良好な人間関係を築くための個人理解、ポジティブなフィードバックのための伝え方、キャリア形成支援のための経験と機会を与える技術などお伝えしました。

新人女性総合職向けにも、統計データに基づく世代別の価値観の違いを知った上で、効果的なビジネスコミュニケーションに活用できる「アサーティブ・コミュニケーション」の手法について学んだうえで、内発的動機づけやモチベーターへの理解とその活用方法を伝えました。

 
 


「上司向け研修の実施後アンケートでは、7割以上の回答者が対話を通じて部下の考え方や価値観に理解が深まった、約5割が部下のやる気ポイントを理解した仕事のアサインやフィードバックがしやすくなった、自己開示しやすくなったと回答。新人女性総合職側は上司の価値観の理解が進んだと、モチベーターの可視化メリットを実感しています。」と野瀬様。

また、空川佑妃 様は施策の成果をこのようにお話しくださいました。

「新人女性総合職の上司として研修に参加したあるマネジャーの方からは、それまではその女性部下について理解し難かった考え方について納得感が得られたという声も聞いています。お互いのモチベーションレポートを見て対話を実施したことで、“だから彼女はこのように考えるのか”と、より相互理解が深まったという声を聞いています。」

さらに、「やる気のポイントがわかるので、どのポイントを押さえてフィードバックをすればいいか、どういう仕事の与え方をするとやる気が出るのかがわかりやすくなったというところも非常に上司としては助かるポイントではないかと思います。」と話します。

 
 


そして今般、上記の研修で複数の上司から「新人女性だけでなく部下全員とモチベーターを活用した対話をしたい」との声があったことを受け、2023年には、現場マネジャーのチームビルディングを支援するため、対象を拡大して、モチベーション可視化ツールの活用を希望するマネジャーとその職場メンバーを対象にプログラムを提供することとし、37職場計271名が参加しました。また、参加職場での対話の進め方は1対1もしくは職場全体での意見交換など、各自が進めやすい形式で実施することとしました。

 
 
 

結果

約9割の参加者が可視化・研修・対話プログラムを有意義だと評価

参加したマネジャーとその職場メンバーにそれぞれアンケートを実施したところ、約9割がAttunedを用いた職場内対話プログラムを有意義だと評価。「モチベーター可視化アセスメントを活用することで、同僚の良い面を知れた、感謝を伝えられたなど、職場のモチベーションの向上やメンバー同士の理解が進みやすい」といった、好意的な意見が寄せられました。

また、野瀬様は「一昔前までは残業中のふとした雑談や飲み会が職場コミュニケーションの場として機能していたように思いますが、コロナ禍でリモートワークが増えて飲み会が減り、働き方改革により生産性向上が進んだ現代では、良好な人間関係を構築・維持するために必要な職場内コミュニケーションを意図的かつ効果的に取る必要があると感じます。上司と部下の対話を効果的に進める上では、特に上司側の自己開示がポイントと考えており、モチベーターは性別や能力に関係がないので自己開示しやすく使いやすい話題です。」と、現場マネジャーの対話支援のポイントについてお話しくださいました。

 
 
 

施策推進のポイント

有意義な対話の場をつくろうとする意思を上司部下が共有し、互いに関心を持つ

野瀬様は対話施策推進のポイントを次のようにお話しくださいました。

「意味のある職場対話をつくり出していくためには、有意義な対話の場をつくろうとする意思を上司・部下が共有し、互いに関心を持つことが重要だと思います。ツールを導入すれば全て解決できるわけではなく、使う側のマインドセットも重要であることを丁寧に発信し続けていきたいと考えています。」

さらに、「研修に参加した社員にモチベーターの理解をさらに深めてもらうため、研修の機会だけではなく、推進側としてモチベーターの意味や活用場面などを具体例にあげてメールでマネジャー向け・一般社員向けにそれぞれ配信しました。また、社内報でもアセスメントを活用した対話機会の成果を社内にもPRしました。」と、社内の情報発信の必要性にも触れてくださいました。

 

社内報を使って、Attunedの活用方法や成果を社内にPR

 

今後への期待

最後に、空川様は今後のAttunedへの期待について「対話の進め方については上司側のスキルに依存する側面もあるので、今後は対話支援にAIを活用するなどテクノロジーの利用にも期待しています。」と締めくくってくださいました。

 
 
User caseEQIQ