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ナッジの力

企業や政府が行動科学を使って行動に影響を与える方法

2017年、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授が、行動経済学の分野での功績によりノーベル賞を受賞しました。彼が開発に携わった「ナッジ」(nudge:そっと後押しする)とは、経済的なインセンティブを変えたり、行動を禁止したりすることなく、人の意思決定に影響を与える環境をつくり出す方法です。ナッジを活用した政府や非営利団体、国連などの国際組織は、世界中で202の公共政策団体が確認されているほか、企業においても、ナッジの活用が進んでいます。

では、「部下の主体性がない」「いつまでも若手が受け身のまま」などという管理職の悩みを解決するために、“部下の背中をそっと後押しするナッジ”を企図することはできないものでしょうか?このような問題意識を持つ人のために書かれたのが、このホワイトペーパーです。

これを読むことで、ナッジの考え方やその背後にある心理状態と、認知バイアスなどの基礎知識を学べます。また、企業や政府が「ナッジ」を企画する上で知っておきたい基礎から応用方法、検証方法などを、入門者にもわかりやすく解説しています。


 

目次

はじめに

1. ナッジの起源(ここまで登録なしで試し読みできます)

  • ナッジの背景にある心理

  • Breakout Box‐発見された数々の認知バイアス

  • では、ナッジとはいったい何なのでしょうか?

  • Breakout Box‐意思決定に深く関わるナッジ

2.誰がどのようにナッジを使うのか?

  • Breakout Box‐政府や非営利団体によるナッジの活用例

  • 企業はナッジをどのように活用してきたか?

  • Breakout Box‐ナッジが活用された企業での例

3. ナッジはどのように作られるのか?

  • Breakout Box‐ナッジの応用方法

  • ナッジの有効性を判断するには

  • Breakout Box‐ランダム化比較試験

4. ナッジ活用の未来 20

  • ナッジとAttuned

5. まとめ

著者について

ブランドン・ロウトマン

Attuned シニア行動科学者

シカゴ大学で行動経済学を学ぶ(行動科学修士)。英国 Behavioural Insights Team (2010年英国内閣の下に成立)に所属、米国内で多くのナッジプロジェクトに携わった経験をもつ。