大企業で「Attuned」を効果的に活用する方法


キャプラン株式会社
代表取締役社長
石田 正則様


総合人材サービス企業パソナグループとして、教育研修事業やHRテック構築・導入支援事業(タレントマネジメントシステム等)を行っているキャプラン株式会社。同社は「Attuned」の再販パートナー企業の1つです。また、同社は企業が抱えている上司部下の信頼関係の課題、生産性の高いチーム構築のあり方を「Attuned」を用いて解決する独自の研修プログラム「AIコーチングプラス」を開発・提供されています。

今回は、キャプランの代表取締役社長を務める石田正則さんに、人材サービス会社として「Attuned」に注目した理由や、大企業で「Attuned」を効果的に活用する方法などを中心にお伺いしました。

【課題】大企業において、世代間ギャップをはじめとした価値観の違う人々が円滑なコミュニケーションを取ることが難しかった

【解決策】社員一人ひとりの価値観の違いを見える化し、内発的動機(モチベーター)を知ることで、コミュニケーションを改善

【結果】定期的なアセスメントにより、一人ひとりのモチベーターを可視化し、コミュニケーションの機会を高めた

まずは、キャプラン株式会社について業務内容を教えて下さい。

私たちキャプランは、ビジネスマナーや語学、おもてなし人材の育成を特長とした教育研修事業。クラウド型タレントマネジメントシステム「SAP SuccessFactors」や、「人々の働き方を変える」をコンセプトに開発された業務プラットフォーム「ServiceNow HRSD」等のHRテック構築・導入支援事業を展開しています。

また、世界最大のワイン教育機関「Wine & Spirit Education Trust(WSET)」の日本最大の認定プロバイダーとして、キャプランワインアカデミーを運営しています。

幅広い業界と取引のある人材サービス企業キャプランの代表・石田さんが考える大企業の課題は何でしょうか。

昨今「不確実性の世の中」といわれている状況であり、テクノロジーの進化とともに企業にも働く人々にも変化が求められています。とくに大企業が進もうとしている方向性は、生産性や効率を高めること、デジタル化へのシフト、イノベーションを起こすことでしょう。私はそれらを成し遂げるためには、体力・知力・対人関係能力の3つが必要で、なかでもイノベーションを起こすには、対人関係能力は必要不可欠だと考えています。 

イノベーションは、自分の固定概念を壊すことが大事であり、一人だけでは実現できません。たとえば本を読んで主人公の背景を知ることで、愛着や感情移入ができるように、相手の価値観やその背景を認識できると、お互いの違いを認め合いながら、自分の考え方にプラスしたり、変えたりできるようになります。「違う」ではなく新しいことを知って「発見」につながる。そうやって日頃からさまざまなメンバーとコミュニケーションをとっていくところから、モノの見方が変わりイノベーションが生まれるものだと思います。

大企業がイノベーションを起こすには、コミュニケーション力が必要。その課題のためにAttunedをどのように活用されているのでしょうか。

大企業は分業制であることが多く、スペシャルなスキルを鍛えて、効率よく仕事を進めることが求められ、周りの社員が今どのような業務を行なっているのかが把握できなくなります。分業制や専門性を高めつつ組織やチームの改善意識をどうやって横断的にもたせるのかを考えたときに、多部署とのコミュニケーションや自部署メンバー同士が、仕事の状況を語り合っていけるかがポイントになります。

しかし、誰もがコミュニケーションが大事ということは知っているけれど、その為には具体的に何をすればいいのかわからない、というのが現状でしょう。

 そのような大企業の環境で、社員一人ひとりの価値観の違いを見える化できる「Attuned」は非常に画期的なツールと言えます。

大企業は事業部ごとに組織風土が異なることも普通にありますし、20代から70代まで幅広い世代の社員が働いていて、世代間ギャップをはじめとした価値観の違う人々が円滑なコミュニケーションを取るのはただでさえ難しい環境にあります。

しかし、もし職場において、それぞれの人が「何を重視して仕事をしているか」という価値観、すなわち内発的動機(モチベーター)を知ることができれば、コミュニケーションは格段に改善します。互いの内発的動機を踏まえて対話することができれば、相互理解が深まり、互いを尊重し、モチベーションを高め合い、些細なことでの意見の対立も回避できます。すなわち、内発的動機を可視化できる「Attuned」は、コミュニケーションの機会を高めてくれる大変便利で有効なツールなのです。 

弊社でもこれまでいくつかのタイプ別性格診断テストで、個人の性格を分類し、組織や相手の状況を知るツールを提供してきましたが、あくまでも診断までです。

血液型占いと同じように、自分や相手がどんな性格タイプなのかを知ることはできるけれど、そのデータを使ってどのように運用するかというところまでには至りません。さらに個人のモチベーターを見える化するだけでなく、定期的な組織内モチベーションの測定、その状況に合わせた仕事の運用まで実現する「Attuned」は、従来の性格診断テストと決定的に違っていて面白いです。仕事も人も常に変化しているのですから、その変化をタイムリーに把握することが重要です。

Attunedのパートナーとして、お客様の反応や要望を教えてください。

まず、ビジュアルがすごくいい。営業先でAttunedの第一印象として「ビジュアルが面白いね!」という反応が多いため、見え方は本当に大事だと実感しています。そしてこのツールの魅力は、コンセプトのよさ、質問を選ぶアセスメントの面白い切り口、組織全体を捉えるビジュアル、時間軸で捉えられるなどさまざまあります。

一方でツールの魅力が沢山あるほど、知らない人に説明しようとすると何がいいのかわかりにくくなってしまいます。トライアル利用していただいた時に「この分析結果を見て、どうされますか?」とお客さまに問いかけて考えてもらうことが重要で、実際のオペレーションにどう活用していくかなど、診断結果が出た時に組織・メンバーへの伝え方がもう少し明確になると嬉しいです。

今後、キャプランの事業の中でAttunedはどのように展開していけるのでしょうか。

私たちキャプランは、働く人の成長を支える仕組みを提供していますが、1回の研修を受けただけでは知識や技術は身につきません。定期的に現場の状況を把握できるシステムのインフラがあって、変化の状況に合わせた研修やマネジメントを提供していくのが好ましいと考えています。

そのなかで「Attuned」は、実際に仕事をしながら社員の気持ちが近づいたり離れていったりする状況を定期的に把握でき、その時どう対処すればよいかというアプローチ方法も教えてくれる。これは、組織マネジメントの研修ツールにもなり、1on1の研修ツールにもなります。つまり状態を把握する人事のためではなく、組織を動かす現場側のためのものなのです。

世の中の状況や企業の方針によってコミュニケーションのスタイルやマネジメント方法が変わると同時に、相手の気持ちや自分の相性も変化していく中で、「Attuned」は、そのときの状況に適したアプローチの仕方を提示してくれます。変化があるということは、次の課題が絶対に生じてくるはずで、そこに私たちキャプランが新たな研修を提案、実施していく。時代の変化に応じて働く人々の成長をサポートするのが私たちキャプランであり、「Attuned」でもあります。そこに市場のニーズは十分にあると認識しており、キャプランにとってもビジネスチャンスが十分にあると期待しています。

User caseEQIQ