【セミナーレポート】マネージャーの「対話力」強化とジョブ・クラフティングのポイント

自律型人材と支援型リーダー育成の鍵は「内発的動機の見える化」です。物理的に異なる場所で仕事を行うリモートワークなど、多様な働き方が一般的になりつつあるいま、ジョブ型人材マネジメントへの転換が急速に進んでいます。これに伴い、企業では従業員の自律性と生産性を同時に高めるマネジメントが求められるようになっています。

人の心に働きかけるマネジメントで個人とチームのビジョンを調整するー本ウェビナーでは、Attunedシニア セールス マネージャ 飯田より「内発的動機の見える化」を活用した、マネージャーの対話力の向上<人の心に働きかけるマネジメント>についてご提案いたしました。

さらに、組織が個人の心を満たしながら目標を達成させていくという、ジョブクラフティングの理念についても、ご紹介させていただきます。例えば、1on1ミーティングや、評価面談のような場を使って、部下のやりたいこととチームのビジョンを調整する具体的な方法についてご紹介します。

講師: 飯田蔵土

Attuned セールス シニアマネージャ 新卒でHPにSEとして入社し、その後米国本社経営企画部門へ異動。複数の大手外資系企業にて戦略コンサル、事業部長、オペレーションズ本部本部長などを務め、AIベンチャーへの参画を経て現職。FAX注文書の入力から、多国籍企業間のM&A、営業、FP&Aまでカバーする。一橋大学大学院修了(MBA in Finance)

 

組織の力は掛け算で決まる

組織の力(生産性)は、「能力×方向性×モチベーション」の掛け算で決まります。人が何人もいるからと言って、全体の生産性が十分に高まることはありません。足し算ではなく掛け算なのです。掛け算だということを意識しないと、能力の部分を全てだと錯覚してしまう人もいるでしょう。

また能力は、日によってさほどぶれることがないのに対して、モチベーションは大きくぶれてしまうことがあります。例えば「今日は仕事が手につかない。」「今日はとてもやる気に満ち溢れている!」と思った経験は誰しもあるのではないでしょうか。

能力が100の人がモチベーション30%であれば30の生産性しか生まないと考えられますが、能力70の人がモチベーション100%であれば70の生産性を生むことができます。つまり能力も大事な要素ではある一方で、個人や組織のモチベーションの管理こそ、生産性をいかに高くするかの鍵となるのです。

能力とモチベーションの大切さを踏まえた上で、忘れてはならないのが方向性です。トップに方向性のない組織では、個々人がバラバラの方向を向いていて生産性が最大化されません。組織もしくは部署やチームごとで方向性を一致させることが重要です。

 

方向性を合わせるジョブクラフティング

組織一人ひとりの方向性を合わせるヒントとなるのが『ジョブクラフティング』という概念です。ジョブクラフティングとは、労働者が主体的に自らの仕事に対する認知を再定義し、創意工夫をすることで、よりやりがいを持って仕事に向き合えるという概念です。(Wrzesniewski&Dutton(2001))

自らの仕事に対する認知は、外的動機づけ(評価や報酬)、自分のキャリア上の価値、能力や資質、内発的動機づけ(やりがい)によって変えることができます。価値観、仕事観の多様化や、環境の変化が激しい現代では、一人ひとりの社員が主体的に仕事をするためには『内発的動機(やりがい)』が最も重要になってくると考えられます。

しかし『内発的動機(やりがい)』は一人ひとりによって全く異なり、加えて他人から判断をすることは難しいです。皆様も過去に何か仕事をしていてやりがいを感じたことがあるのではないでしょうか。なぜ自分はそのように感じたのかを一人ひとり考える必要があります。

例えば部下に何か資格を取らせると考えた際にも、ただ資格を取れと指示するのではなく、どんなことをやりがいに感じるのかを一度考えてみましょう。自身の成長がやりがいに感じる人には「この資格を取ることで、あなたはこのような成長ができると思うのでぜひチャレンジしてほしい」と声をかけてみたり、誰かの役に立つことをやりがいに感じる人であれば「この組織でこの資格を持っている人がいたら、この組織は新しく事業を始めることができるので、ぜひあなたにこの資格を取ってもらいたい」と伝えることで、上手くモチベーションを刺激することができることでしょう。

組織に属する一人ひとりの内発的動機(やりがい)が分かると、ジョブクラフティングは実行しやすくなります。今後求められるマネージャーの役割として、部下やチームメンバーに対して自分自身がどのような時にやりがいを感じるのかの言語化を促し、気付きを与えることがとても重要となるのです。

 

柔軟な組織をつくる上で欠かせない、心理的安全性

方向性が一致した柔軟な組織をつくるためには、上司部下や組織内の関係性の質が鍵となります。この関係性の質を高めることの一つの手段として、近年注目されているのが1on1ミーティングです。1on1ミーティングで重要となることが、上司が部下に対して「傾聴する・認める・賞賛する」ことを積極的に実行し、心理的安全性をつくることです。そしてはじめて部下が上司に対して素直に自分の言葉で「聞ける・言える」ができるようになり、関係の質というのも自ずと高まっていくことでしょう。

1on1ミーティングでありがちなこととして、部下から応えられない要望が来ることもあるでしょう。ですが、期待に応えられなければ心理的安全性を下げてしまうのではないかと心配をする必要はありません。1on1ミーティングの最大の目的は、関係性の質を向上することです。まずは率直に話してくれたことに対して「ありがとう」を伝え、その上で「できないものはできない、なぜできないのか」を自分自身の言葉で伝えることが重要となるのです。

 

内発的動機を可視化する

ここまで内発的動機(やりがい)が重要であるとお話しし、やりがいが一人ひとりで異なり、分かりにくいものであることをお話ししてきました。

Attunedでは心理学的知見をもとに、やりがいに影響を与える11の要素を整理し、診断・可視化するサービスを提供しています。内発的動機を可視化することで、部下の内発的動機(やりがい)に貢献するための1on1ミーティングをするための適切な話題づくりや、組織をどのように運営すればいいのかのヒントを得ることが可能となります。

Attunedについてより詳しく知りたい方は、こちらのURLからサービス資料がダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

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