1on1・チームミーティングを活用して心理的安全性を生み出すには

世の中の多くのマネージャーがそうであるように、私も個人としての貢献度や顧客や同僚からの評判、そして何より私自身の立候補によってマネージャーに昇進しました。今はもう倒産してしまったのですが、当時の勤務地は日本の各地に支店を持つ民間英語学校で、どちらかというと小売業のように運営されていました。地域の人事マネージャーとしての私の役割は明確に定義されておらず、各拠点はスクールマネージャーによって運営されていたために各校舎のスタッフを結びつけるものはありませんでした。

マネージャーは生徒から新規契約や更新契約を得るように強く求められていたため、既存の契約が終了する数ヶ月前、あるいは1年前に契約を結ぶこともあり、収益を重視していなかった教師たちとマネージャーとの間に溝が生じて生きました。これがきっかけとなってスタッフの間に不信感が漂うになり、最終的には各校舎が会社全体の文化の縮図となってしまいました。つまり強引な販売戦術、経営陣に対する不信感、組織の実際の目標やビジョンに関する透明性の欠如などです。

言わずもがなこのような状況は持続可能なものではなく、会社が最終的に没落する原因、そして結果でもありました。不信感が組織規模の文化に組み込まれている中で、マネージャーとしてポジティブな環境を作るのは非常に難しいことでした。

しかしこの経験は、私を謙虚にさせる有益なものでした。次の職場ではそこにいる人同士のやりとりや彼らが同僚のことをどのように話しているかに注意を払い、自分が管理職になったときには、共通の目的のためにメンバーをまとめることを重視しました。

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当時心理的安全性の文化を創造することの複雑さをすべて理解していたわけではありませんが(まだビジネス用語として存在していませんでした)、何が上手くいき、上手くいかないのかを学びました。

私が企業文化を定義することの重要性を理解し始めたのは本当にここ数年のことなのですが、最近はその中でも心理的安全性の重要性に注目しています。企業の離職に伴うコストへの意識が高まったことを目の当たりにしたこともあります。これはパンデミック以前からの事実ですが、結果としてその傾向はさらに強まっています。つまり特定の仕事に適した人材の数は限られており、新しく採用する場合に比べて1、2年でも長くその職務に従事させることのコストは、経済的、感情的、そして心理的に評価されるのです。

これらのことを念頭に置きながら私の教訓を共有し、あなたのチームや組織の心理的安全性を向上させる方法について考えるきっかけとしていただければと思います。

心理的安全性は1対1の関係性から

1on1ミーティングを開始するとなると1対1の環境を作ることに集中しがちですが、それよりも重要なことは「どのくらいの頻度で話すか」です。個人的には直属の部下とは毎週会って話したいと思っていますが、それでは頻度が高すぎる企業もあるかもしれません。

良い1on1ミーティングとは明確なアジェンダがあり、ある程度予測可能なものを指します。たまには変わったことをするのもいいかもしれませんが、一般的に1on1ミーティングでは想定外のことが起こらない方がいいでしょう。また明確なアジェンダがあることで、あなたが相手に追加で質問をしたり、より多くを話してもらうための余裕も生まれます。

これらは一般的に優れているとされる1on1ミーティングの考え方ですが、心理的安全性を高めることにもつながります。このトピックにをさらに掘り下げるには内発的動機についての理解を深める必要がありますが、Attunedはまさにうってつけです。

私がよく見る機能の一つに、モチベーターギャップがあります。スクリーンショットからわかるように、私の直属の部下(紫)はステータス安全性に対する欲求が強いのですが、私のモチベーターに対するスコア(緑)はその反対側に位置しています。(この場合の安全性とは、ルールやプロセスを守ることに尽きます。)

一方私の同僚はプロセスの安全性を必要としているので、プロジェクトの途中で物事を変更することには細心の注意を払わなければなりません。しかし、二人とも合理性のニーズが高いので、なぜ変更しなければならないのかを論理的に説明すれば、たいていの場合は納得してもらえるでしょう。

この情報をお互いに持っていることでお互いの動機を理解する環境が整い、何かを変更する場合でも頭を突き合わせて衝突するのではなく、共通の認識と最善の方法を容易に導けるようになります。

 
 

ミーティングで全員に発言権を与えてみる

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1on1ミーティングは素晴らしいのにチームでのミーティングがぎくしゃくしていると感じたら、今度はグループの心理的安全性の改善に取り組む必要があります。処方箋は治療をするためのものですから、そこに働く力学を理解することは不可欠です。そこにあるのは個人的な対立でしょうか?ビジネスや昇進のための利害の対立?それともリモートワークの環境において一緒に過ごす時間が少なくなっているというシンプルな原因でしょうか?

私の経験ではほとんどの対立はコミュニケーションの不一致に起因します。純粋に成功したいと願い、ビジネスの利益を念頭に置いている2人であれば、意見の相違は解決できるはずです。そうでない場合は、特に明らかにチームの利益のために働いていない人への対処としてもっと思い切った行動が必要になるでしょう。

グループ環境で心理的安全性を高めるには、全員に発言権を与え、またその発言権を使えるようにすることが不可欠です。そのための簡単な方法の1つはチームミーティングのリーダーを別の人にすることです。最初は少しぎこちないかもしれませんが、1回でも試してみると、メンバーが以前よりも発言しやすくなっていることに気づくでしょう。

もう一つの方法はモチベーションに関するオープンな会話を促すことです。ここでもAttunedは非常に役に立ちます。

チームAは多くのモチベーションが緊密にグループ化されており、ファイナンス創造性ステータスなどの価値観に密接に関連しています。一方チームBは、特にフィードバックや経済的ニーズのような分野でより広い範囲に広がっています。このような情報を公開することで透明性と会話が促進され、最終的にはコミュニケーションの改善と心理的安全性の向上につながります。

チームミーティングでは目標達成を妨げる可能性のある個人間の違いにも言及しながら、コアとなっているモチベーターに触れるようにすることで、社内外でより生産的な交流ができるようコーチングすることができます。

切っても切れない幸せと安心感の関係性

管理職になったばかりの頃、私はスタッフのメンタルヘルスを重視しない組織の中で主に火消しをしていました(時には誤って火をつけてしまうこともありました)。その仕事を辞め、何年もかけてチームワークと真のコミュニケーションの大切さを学び、やっと文化が成功や失敗につながることを知ったのです。ここ数年は、対人関係の力学や内発的動機付けについての理解がチームや文化の構築に対する考え方に影響を与えていることもあり、これらの考え方がより洗練されてきています。

現在私たちが利用できるツールは、その差を大きく縮めています。今やこれらの分野を深く掘り下げていない企業は、優秀な人材を雇用し、維持するという点で大きなハンディを背負っています。世界的な人材獲得競争はことを知らず、従業員が求めるものは今後もより大きくなり続けるでしょう。しかし「幸せを感じるためには、安全でなければならない」という考え方を忘れてしまっている環境は、どんな素晴らしい特典でもカバーできないことを覚えておく必要があります。

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Chad Lafferty

Managing Director | Wahl+Case

Intrinsic Motivator Report