データで解明!Z世代とX世代、実は最高の組み合わせだった?科学的根拠から導く世代間シナジー最大化の方法

データで解明!Z世代とX世代、実は最高の組み合わせだった?科学的根拠から導く世代間シナジー最大化の方法

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「最近の若者は何を考えているかわからない」「世代が違う部下とのコミュニケーションがうまくいかない」。多くのリーダーが、一度はこのような悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。その根本的な原因は、相手を「Z世代だから」「女性だから」といった安易な"ラベル"で捉え、その人の内面にある本質的な動機、すなわち「モチベーター」を見ようとしていないことにあるのかもしれません。

本稿では、モチベーションを可視化するサービスAttunedの利用者のモチベーションを分析したThe State of Motivation Report 2025をもとにした考察を、 共同研究を行うHR Buddy 研究所よりいただきました。

蓄積された膨大なデータと科学的知見を掛け合わせることで見えてきた、性別・世代ごとの動機の傾向と、それぞれに最適なリーダーシップの型を具体的に解説します。単なる一般論ではない、データに基づいた個人の理解こそが、これからの時代のチームを成功に導く鍵なのです!


目次

1. 共通したリーダーシップ発揮の可能性:PM理論の観点から

2. 性別や世代によって得意なリーダーシップの型が異なる

  2-1. 性別によって得意なリーダーシップ発揮が異なる可能性

  2-2. 世代によって得意なリーダーシップ発揮と相性の良い世代がある可能性

3. "ラベル"ではなく、"個人"としてモチベーションを捉える重要性


2020年以降の結果を見ると、上位カテゴリーには「ファイナンス」「安全性」「競争性」「利他性」「ステータス」、中位には「フィードバック」「社交性」「成長」「創造性」、下位には「自律性」「合理性」が安定的に位置しています。

これを三隅(1967, 1978)のPM理論――目標達成やタスク遂行を重視するP機能(Performance)と、人間関係の維持・調和を重視するM機能(Maintenance)の観点で整理すると、上位カテゴリーは「成果・報酬」「競争」「地位」といった典型的なP機能型モチベーター、中位カテゴリーは「フィードバック」「社交性」といったM機能型モチベーター、下位カテゴリーの「自律性」「合理性」は、リーダーシップの基盤を支える個人能力として捉えられます。

つまり、P機能優位、M機能抑制の「Pm型」リーダーシップを発揮しやすい傾向がうかがえます。「Pm型」は計画性や進捗管理に優れ短期成果を出しやすい反面、長期的なチームビルディングやモチベーション管理には課題を抱えやすい特徴があります。このように、モチベーターのカテゴリーから、多くの人に共通して発揮しやすいリーダーシップの傾向が見えてきます。


2-1. 性別によって得意なリーダーシップ発揮が異なる可能性

続いて性別で見ると、男性は「ファイナンス」や「競争性」といったP機能のモチベーターが女性よりも高い一方、女性は「利他性」「フィードバック」「社交性」といったM機能のモチベーターが男性より高い傾向が見られます。

これは、Eagly&Johnson(1990)が示すように、男性リーダーは専制的(P機能的)スタイルを、女性リーダーは民主的(M機能的)スタイルを取りやすいという性差研究とも一致します。

つまり、男性は成果達成への動機付けが強くP機能を発揮しやすく、女性は協働や人間関係の調和に強い関心を持ちM機能を発揮しやすい可能性が示唆されています。

2-2. 世代によって得意なリーダーシップ発揮と相性の良い世代がある可能性

世代別に見ると、Z世代は「フィードバック」と「社交性」のスコアが特に高く継続的な指示や対人関係の強化を重視する傾向があります。ミレニアル世代は「ファイナンス」を最も重視し、経済的安定を求める姿勢が顕著です。

X世代は「利他性」や「成長」に強い動機付けを示し、社会的責任や次世代育成に関心を持っています。ベビーブーマー世代は「安全性」への欲求が高く、組織や職場環境の安定化を優先する傾向がうかがえます。

そこで、各世代が得意なリーダーシップの型について考察し下表にまとめました。

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Z世代とX世代を組み合わせると、Z世代の「フィードバック重視・社交性欲求」を、X世代の「利他性・メンタリング能力」が補完し合います。Z世代が互いに意見を交換するシェアドリーダーシップを担い、X世代が育成と支援を行うサーバントリーダーシップを発揮することで、継続的な指導とチームの成長が両立します。

ミレニアル世代とベビーブーマー世代の組み合わせでは、ミレニアル世代の「成果志向・変革推進力」を、ベビーブーマー世代の「安定志向・明確な基準設定」が支えます。変革型リーダーがビジョンと報酬を提示し、謙虚なリーダーが評価基準と環境の安定を提供することで、効率的かつ持続的な成果創出が可能になります。

ただし、これらはあくまで世代共通の傾向に過ぎず、各人のキャリアステージや個別のモチベーターの特徴を踏まえたリーダーシップスタイルの把握が大切です。


ここまで提供してきた観点は、あくまで性別や世代といった、大集団の特性を抽出してラベリングをしたものに対して、モチベーターの傾向から、得意なリーダーシップスタイルを言語化したものになります。

一方、もちろん我々は一人ひとり違った個人であるため、今回提供したような、既存理論と個々人のモチベーターの特徴を照らし合わせながらその人の得意なリーダーシップ発揮と、また、誰との相性が良いのかを検討することが何よりも重要です。


参考文献

  • 三隅二不二. (1967). 新しいリーダーシップ──集団指導の行動科学──,ダイヤモンド社.

  • 三隅二不二. (1978). リーダーシップ行動の科学,有斐閣.

  • Eagly, A. H., & Johnson, B. T. (1990). Gender and leadership style: A meta-analysis. Psychological bulletin, 108(2), 233-256.


Attunedとは?

Attunedは、心理学に基づいた個人モチベーションの可視化をベースとしたエンゲージメントサービスです。やりがい創出、生産性向上、離職防止、心理的安全性の向上、人材育成・マネージャー育成などに効果的なソリューションを提案しています。

さらに詳しくサービスの内容や料金体系をご覧になりたい方はこちらから資料をダウンロードしてください。

今回紹介したAttunedの利用者のモチベーションを分析したThe State of Motivation Report 2025をもっと詳しく見たいという方はこちらからダウンロードが可能です。

Attunedでは2週間の無料トライアルを実施しています。ご興味のある方はこちらからチェックしてください!

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お役立ち資料

  • The State of Motivation Report 2025

    2025年のモチベーションランキングレポートが完成しました。このレポートは、世界中のAttunedユーザーの皆様のモチベーションの変化を、学術界や産業界のエキスパートの視点を取り入れ、詳細に分析した非常に貴重なデータに基づいています。

  • 心理的安全性を高める"アフターコロナ"の職場づくり

    社員のエンゲージメントを高める、心理的安全性の高い職場とは何かが理解できるホワイトペーパーです。「心理的安全性」と「内発的動機づけ」について詳しく解説します。

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